2013-05-23 高津 光吉さん 福岡県 風景がさわやかである。人もさわやかである。悪行を働く人たちも生きている。不義密通が小説の中核をなしているが、汚らしさがない。しかしそれが筋書きの中心をなしているのに『では何なの?」と思いながら読ませてくれるのである。それだけに秋谷や庄三郎の日々単調な生活と会話が、読者の胸に深く押し迫る何かがのある。
シェークスピアの『ハムレット』の不義密通と同じ下克上のお話かと思いつつ、読み下したが、それが見事に外れた。秋谷と庄三郎の生き方は
悪しき中根兵右衛門(とても時代劇の日本的な人間)さえ、正しき生き方を志向すべきだ、と思わしめる大変さわやかな読み物でした。
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