2013-06-20 田沼陽介さん 福岡県
実にハチャメチャな小説だった。
喜劇以外の何物でもないようであり、冒険活劇のようでもあった。ノンストップアクションと言っても非難は浴びないだろう。
登場人物で言うと、破廉恥な地方議員の息子の自己満足的な姿が滑稽だったし、若い二人のほんのりとした関係も見逃せない。
一番目立ったキャラは徳之島の闘牛だったが、エセセレブの夫婦ものやボロボロのサラリーマンも捨てがたい。映画にするなら、誰を配役にしようか？などと考えるのも楽しかった。
最後は「ハリー・ポッターか？」と思わせるような結末も、むしろばかばかしさが徹底されていて痛快だった。
久々に楽しい小説に巡り合うことができた感じだ。同じ作者の本も探し求めたいと思うし、祥伝社文庫をいろいろ読み漁ってみたいとも思っている。
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