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祥伝社文庫
橋廻り同心・平七郎控 風草の道
著者名:藤原緋沙子

2013-09-24 籔内 節子さん 香川県
 第一話 龍の涙
 第二話 風草の道
 どちらも、心温まるストーリーになっている。
 「龍の涙」の結末は、なんともやりきれないものだ。人を助け、温情をかけた好意が裏切られ、最後には、その相手に殺される。なんともやりきれない。
文中で、「二人は堅川に架かる二の橋(二つ目橋)の南袂にある小屋の前で、木株に腰を下ろしている。」この文章が特に心に響いた。同心の立花平七郎と橋の番人の善兵衛との会話になっているが、この会話から平七郎が、殺されていく運命だった善兵衛の無念を晴らしていくストーリーの展開に思わず涙しながら、読んでいった。ところが、平七郎と読売屋のお香との関係が一向に前進しない。いったいどうなるの?
 「風草の道」は北町奉行に依頼された立花平七郎が、極秘の探索依頼される。極秘の探索というが、そんなにうまく極秘で探索できるものかと、内心安堵の気持ちと疑念が生まれたが、これも小説のいいところかと納得した。
主人公が、平七郎から鹿之助に登場したことをのぞいてはやはり心温まる展開であった。涙あふれる時代小説である。

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