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ガリマール新評伝シリーズ 三島由紀夫
著者名:ジェニフェール・ルシュール/鈴木雅生

2014-03-14 カジキマグロさん 東京都
三島由紀夫の死によってその名を知り「金閣寺」を皮切りに三島の書籍を読み始めた。

三島作品は透明感のある美しい文章と共に人を寄せ付けない残酷にも似た何かが隣り合わせの諸刃の剣のようで、独特の世界に引き込まれた。その後、久しく作品から遠ざかっていたが、新聞でこの書籍を知りフランス人が書いた三島由紀夫に興味を持った。
この本により今まで知ることのなかった三島由紀夫を知り、不思議と親しみも感じた。幼少期の家庭環境が生涯に渡り大きな心の闇となって取り付き、それが死に至るまで続いたのだと感じた。この本の終盤に差し掛かった時には、また三島と別れなければならないという、悲しみまで味わってしまった。

これを期に、今一度三島由紀夫作品を海外版も含め読み始めようと思った。どのようにあの美しい文章が翻訳されているのかも興味津々だ。また別の三島由紀夫に出会えることができそうだ。


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