書評 投稿ページ
投稿閲覧
ジャンル・タイトル・著者名
文芸書(文庫を除く)
坐禅ガール
著者名:田口ランディ

2014-06-07 上原博史さん 大阪府
作家の羽鳥よう子は、ひょんなことから松下りん子と出会い、保護することになる。よう子はりん子を世話するが、作者が投影されているようで面白かった。りん子に対する愛情も感じられる。物語の語り手はよう子とりん子で、交互に入れ替わりながらストーリーは展開していく。りん子の独白は生々しく、細部にリアリティーがあった。読み進むと、りん子の衝撃的な過去が明らかになる。東日本大震災により、りん子の人生は転機を迎える。よう子も身内の人間の死により、トラウマを抱え、失恋の痛手も負っている。二人は禅マスターであるアイリーンと出会う。アイリーンが語る坐禅の考えは、抽象的で難解だ。りん子はこの本のタイトルである「坐禅ガール」になり、自分の人生を切り開いていく。りん子はよう子と出会って、よかったと思う。この本を読んで、女性にとって容姿とはなんなのか、また恋愛とはなんだろう、と改めて考えさせられた。(了)                          

戻る