2015-04-23 妊婦さん 東京都 30代後半の第一子の妊娠ということで、医者から出生前診断をするかしないかの選択を迫られています。決断する内容に対して考えられる時間があまりにも短く、また本書で書かれているように当事者でなかった以前の自分の出生前診断に対する一般論と現在の自分の心境があまりにかけ離れているために非常に悩んでいました。時間の許す限り出生前診断について書かれている資料に触れようと本書を手にしました。
本書を読んだことで私の中で明確な答えが見つかったということはありません。しかし、出生前診断を受けるか、受けないか、受けて陽性の場合にどうするか逡巡している私の励ましになりました。命の選択に答えはあるのかという章では、意志決定能力がその人の心の成熟度で測られるという現状が書かれています。その章の中では母の延命措置に逡巡する男性について書かれています。前述の考えだと彼は心の成熟度が低く命に関わる意志決定が難しい人となりますが、著者は見方を変えて割り切って判断出来る人よりも心が深く広いとも言えると述べています。著者の言葉によって思い悩みどちらにもはっきりと決断出来ない自分を少し肯定出来ました。
主人と私は出生前診断についての考えが違います。私自身の気持ちも日々揺れていますし、主人も揺れています。2人で話すと口論のようにもなりますが、主人が前述の「心の成熟度が高い」きっぱり決断する人ではなく、心が深く広い「決められない人」で良かったと思います。
決められない2人ですが、時間は待ってはくれないので決断しなくてはいけません。命の選択に関して後悔のない選択などないのではないかと思います。後悔のない選択はきっと出来ないので、私達にとってベストな選択を2人で決めるつもりです。
命の選択に関して考えることを止めてはならない。
という本書のメッセージを非常に重く受け止めました。
|  |
|