2015-09-16 ホウロクさん 千葉県 書評では、これまでと作風が変わったということだった。確かに清風堂シリーズの最初と比べるとそうだが、その後の長編と比べるとそれほど違和感はなかった。これまでの路線を踏襲している。だから、これまでの大崎ファンなら安心して読むことができるだろうし、ミステリ、家族小説の両面から新しいファンの獲得も期待できそう。
冒頭から話に引き込まれる。父親と確執を抱えた兄弟、若くして亡くなる母親。「善人」の弟が主人公。しかし、彼の本当の意図を作者は少しずつ読者に開陳していく。読者は一種の不安を感じながら、ページを繰る手が早くならざるを得ない。そして、第6章でストーリーは一気に加速していく。
読みだすと止まらない。そして最後に家族の絆というものが作者の手により提示されると、さわやかな読後感に浸ることができる。いい意味で期待を裏切らない、大崎梢節だった。続編はおそらく考えておられないだろうけど、主人公の成長を更にみてみたいと感じた。
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