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ジャンル・タイトル・著者名
祥伝社文庫
天下り酒場
著者名:原 宏一

2015-10-01 門馬 千秋さん 千葉県
各短編ごとにアイディアが溢れている。登場人のキャラクター設定、語られる内容、決して喜劇だけではない社会性(社会の問題点の提示)の書き込み。その力量は並大抵のものではない。「天下り酒場」における公務員のあり様や「段ボール屋敷」における母の心・行動の分析、すれ違い家族が家族のあり方を見直す「居間の盗聴器」、とてもありえない職業が実際に成り立つかも知れないと思わせる「ブラッシング・エキスプレス」は、出色の出来と思った。登場人物を固定化してシチュエーションを変える方が書きやすいだろうに、短編すべてで新たな物語が紡がれている。「床下仙人」にも言える。益々の活躍を期待したい。

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