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ジャンル・タイトル・著者名
小説(文庫を除く)
サイバー・コマンドー
著者名:福田和代

2016-01-27 タヌキ山さん 東京都
奇想天外な冒険ストーリーを楽しむつもりで読み始めました。昔の「少年探偵団」や「怪傑ハリマオ」や戦前の「敵中横断三千里」みたいな冒険小説のつもりで。
そして確かに冒険小説です。次々に発生する怖い事件とそれに立ち向かうウルトラマンの地球防衛軍との息詰まる戦いみたいにハラハラドキドキさせてくれます。
しかし、この小説はそれだけではないのです・・・というか、むしろそれ以外の要素が主なのでしょう。次々発生する恐ろしい事件が決して絵空事ではなくて、われわれ現代に生きる者にとっては今日このあとすぐにでも起きる可能性が十分にあるということを詳しい根拠をもって思い知らされます。 防衛する探偵団兼防衛軍的なほうも精一杯奮戦しますが、今の日本の法律や社会環境に手足をしばられてみんなのために表立って堂々とは戦えず、ある程度ヤミの世界で体を張らねばならないのです。そもそも表だったら攻撃側に手のうちがバレてしまうから防衛側の存在自体もあまり公にはできないわけです。 さらに、みんなのために体を張れるだけの技術力がある人が中国など諸外国に比べてまるっきり足りません。現在の日本では「法律は不利」「社会環境も不利」「人材の体制はてんでオハナシにならない」というお寒い状況。 作者は「日本人の皆さん、あなたがたはこんな危うい状況で生活しているのですよ」と言っているのでしょう。でも私のような高齢者にはインターネットを通じてのサービスは生命線ですから危険だから廃止しようなんていうことになったら困ります。

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