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ジャンル・タイトル・著者名
小説(文庫を除く)
緋い猫
著者名:浦賀和宏

2016-10-19 鈴猫さん 埼玉県
一気読み。読了後しばらく放心状態に。主人公が彼を追いかけ青森の小さな村へ。彼が飼っていた猫を見つける。主人公は希望を持つが崩される。まとわりつくような異様な視線。常に監視されているような異常な空間。前半はじわじわと締めつけられるような空気。たった一人の主人公。いったい彼はどこへ?後半は思考能力が停止してしまうような場面が多々ある。村全体の閉鎖的空間の異様さ。恐怖をこえると諦めになるのか。こんな状況で心なんて持っていられない。誰が本当のことを言っているのかなんてどうでもいい。真実なんて意味を持たない場所だった。主人公と同様に一匹の猫の影にすがりたい気持ちに。読後感は衝撃的以上の言葉で表したい。残酷で忘れたいほどの物語だと感じたが多分心に残るだろう。それくらいストレートに心を抉られた作品。

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