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ジャンル・タイトル・著者名
文芸書(文庫を除く)
風魔外伝
著者名:宮本昌孝

2016-10-19 村松昌彦さん 静岡県
 この本を読んで感じたのは懐かしさである。小太郎の生き方や考え方に影響を与えた人、忠義を貫き通した家来、敵対した相手など、各短篇を読む毎に、本編「風魔」の諸場面を思い出した。
 『魔王の風』の小太郎と信長の決闘シーンの迫力!『信濃のすずかぜ』における後に小太郎の妻となる笹箒の、武田勝頼の息子太郎に寄せる思いの初々しさ。『闇の甚風』の小太郎に敵対した元海賊神崎甚内の末路。『姫君りゅうりゅう』の古河公方氏姫の娘褐姫の武勇談の痛快さ。『南海の風』では、小太郎の息子がシャムの使節団の一員として、日本の土を踏み、富甚、庄甚と邂逅する(なんと小太郎が山田長政になっていたとは)
 各短篇の構成、人物の造形がしっかりなされており、「風魔外伝」という但し書がなくても、それぞれが立派な独立した時代小説になっている。氏姫の娘褐姫を主人公にした長編を読みたいと思う。


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