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 | 文芸書(文庫を除く) 農ガール、農ライフ 著者名:垣谷美雨 | 
 | 2017-01-27 須賀 一淑さん 愛知県 本屋で本書のタイトルと帯の「すべての迷える女性に贈る、リアル・サバイバル小説!」というフレーズが目に飛び込んできました。そして、1ページ目が「今日、派遣切りに遭った。」で始まっていることにも興味を持ちました。
昨今の国内外の情勢を観察していますと、いよいよ現在の資本主義システムを揺るがすような大イベントが続発するような状況が近づいていると感じています。
2008年に起きたリーマンショックの頃のように「派遣切り」が再び続発するかもしれません。その時には、真っ先に、技能レベルの低い若者や女性の人員カットが横行するはずです。先回の経済危機は巨額の財政出動で乗り切りましたが、来る経済危機は国家破綻も併発するような厳しい推移を辿っていく可能性が高く、想像以上の円安が進み、厳しいインフレも起きて、職を失った人々は本当に路頭に迷ってしまう事になりかねません。諸事情を考慮すると、食糧自給率の低さもあり、農業分野での雇用が数少ないバッファーになるのではと推測しております。また、地方や農村部への移住が増えてくるのも自然の流れで、農業分野への関心も高まり、業としてだけではなく、家庭菜園レベルの農ライフを兼業するようなスタイルも増えていくと思います。本書は、今後の社会情勢にマッチしていく内容であり、派遣切りされた女性のみならず、多くの人々に興味深く読まれ、困難な状況での生き方のヒントにもなっていくのではないでしょうか。ある日、突然降りかかってきた困難に夜も眠れないような不安に襲われ、活路も見出せない状況に誰もが遭遇するリスクがあります。雇用の不安定な派遣社員の方だけでなく、正社員の方も安泰とは言えません。本書はリアルで、主人公の心の移り変わりも丁寧に書き綴られていて、ヒューマンな温かさも感じられる素晴らしい小説だと思います。垣谷先生、ご執筆いただき有難うございました。この書評が先生にもご覧いただければ幸いです。祥伝社の皆さま、ご出版いただき有難うございました。この本が、来る時代に多くの人々の目に留まるよう祈っております。
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