2017-02-01 岩上 義彦さん 東京都 東京都下、多摩地方に位置する大学の生物総合学部の通称「オンボロ棟」と呼ばれる第一研究棟の最上階、西寄りの研究室の主が矢上教授である。夏期休業中であろうと、矢上はいつもこの研究室でとぐろを巻いている。そこにいつも入り浸っている御巻咲が妙な紙の束に目を通してくれと持ってくる。
そして同じ階で、夏休みで帰省している学生にペットのイタチ科のフェレットを預かっていた。そうしたところ、まずは美人助手進藤梢が学生からフィリピン土産にもらった研究室に飾っておいた民族楽器パリンバンが何者かにドリルで穴を開けられ、その4日後、今度は各研究室共同のゴミ箱を空にしていたところ、ゴミ箱の底に表彰状を入れる筒3本が転がっていた。そして表彰状は資料室の百科事典の間に3枚とも挟まっていた。更に屋上のビニールハウスのエアマットで学生のト部が女性と関係していたと、美人秘書の進藤が詰問する。また大雨でオンボロ校舎が停電で、空調が停止し、暑くて大学院生等が論文を書けないという苦情を受け、美人秘書進藤が屋上の窓を開けようと階段を上っていったところ、途中で不自然な態勢の死体を発見する。また見当たらなかった松浦教授は意識不明の状態で発見され、ズブロッカ、皇帝、バイソンとうわごとを言う。殺されたのは五十嵐公彦で、それを殺したのは人のよさそうなおばさんの五十嵐桂であった。桂が大切に守り通してきた山に、法的な所有者である公彦が五十嵐興産を興し、廃棄物場を建設してしまった。このことを公彦に難詰した桂であったが、誤って公彦を殺害してしまった。 屋上のバナナを嗅ぎつけたワカケホンセイインコが多数押し寄せ、そのタイミングでフェレットのカンジュウロウを放し、騒ぎを大きくしたところで、労務課の人間がそこに目を向けた際に『SOS、非常口が開かない』の垂れ幕を降ろし、何とか救出される。そして後妻となった五十嵐桂が生んだ子供公彦を殺してまで守ろうとした山を五十嵐の別れた妻の子供で血は繋がっていないが、一輝に山の将来を託していたと解説し、それを考えてみないかと提案する矢上教授。と何やら不思議でもの悲しさも感じられる物語で読み応えがありました。
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