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小説(文庫を除く)
火喰鳥 羽州ぼろ鳶組
著者名:今村翔吾

2017-04-27 芝飯倉森元町人の隣人さん 東京都
テンポが良い小説で一気に読める。
明和の大火の発生した1772年に焦点を絞り、犯人真秀とそれを捕らえた長谷川宣雄(初代 長谷川平蔵)が登場。
本書の主役である松永源吾とその仲間達による新庄藩火消組の再興のための活躍の中でいつのまにか彼らとの関係が本書の中心トピックとなっていく流れの展開のため話に躍動感があり面白い。
また、例えば重商主義政策を実行した田沼意や改暦に絡む天文方 山路主税、大関 達ヶ関等を話の脇に登場させたりしているため、江戸時代中期後半の時代背景についても興味深く想像を膨らますことができる。火付け犯人の秀助に悪事を煽っている藤五郎の立ち位置は明歴の大火の同名の容疑者の話からアイデアを膨らましたフィクションであろうか?さらに物語の中で江戸の火消の種別、組織や道具についても学べ、江戸の時代の社会生活感も伝わってくるところは魅力的である。著者のデビュー作なのでまだ登場人物も少し前のめりで粗削りなところもあるが今後の著者の成長に期待していきたい。次回作もまた楽しみである。

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