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 | 祥伝社文庫 橋廻り同心・平七郎控 麦湯の女 著者名:藤原緋沙子 | 
 | 2009-07-26 siroさん 広島県 読み終わって次の執筆が待たれる作品である。
登場人物が身近な誰かであってほしい、そのような物語が展開して時の流れを紡いでいく。構成やストーリーの展開も著者ならではの巧みさと流れがあり、読み終わって本をそっと机上に置くときのいとおしさがある。
読者は物語の中に展開するストーリーの面白さに心を惹かれがちではあるが、著者は登場人物の人柄を知らぬ間に読者の心にしのばせ、読む人をあたたかく包んでいく。作者の人柄を感じさせるようである。
文章には無駄がなく、流麗に時を刻んでいく。ことばや文章の流れに違和感もなく、だれもが流れを追って読み進めるはずである。また、それぞれの話が短すぎずちょっと長めなのも物語が浅薄にならず、一つの話が心に残るゆえんであろう。
登場人物もいよいよ脂が乗り切って、作者とともに次の登場を伺っているはずである。
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