2018-02-05 仁木茂さん 岐阜県 史料を丹念に読み込むことで、歴史の当事者たちの考え方や本音が見えてくる楽しさを教えてくれる、エキサイティングな本である。壬申の乱、青野ヶ原の戦い、関ヶ原の戦いという異なる時代に起きた、日本史に決定的な影響を与えた戦争が、現在の岐阜県不破郡関ケ原町という特定の地域で起きた意味とは何か? その答えは、現代人のバイアスを取り払い、虚心に史料と向き合うことで見えてくる。この本を読まれた方は是非とも実際に関ケ原に足を運んでほしい。当時の地形が残っているこの地域で、街道を確認しつつ風景を眺めれば、大海人皇子や三成が当時考えていたことに思いを馳せることができるだろう。そしてそれこそが、歴史の楽しさなのだから。
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