2009-08-18 masaさん 岡山県 『夏が僕を抱く』は、幼な馴染みの異性を描く6作品の短編集。
文章を目で追って行く折々で、あぁ、豊島ミホだなぁと思う。現実には味わったことがなく、そして味わってみたかった感覚を言葉で表現してくれている。
この本の主要な登場人物は中学1年生から20代前半である。昔は当然のように近かった幼な馴染み故の距離感が、年齢を重ねていく内に遠退いていく。あるいは空白を置いて突然再会する。そこに存在する、喜び、動揺、焦り、不安、決意。そしてキラキラ輝く一片。
私たちは、自分以外の何者にもなれないことを既に分かっている(と思う)けれど、それでもこの本を読むと、この歳でも『幼な馴染み』の存在に憧れてみたり、登場人物の行動力を羨ましいと思ってしまう。後から「あ。失敗したな」と後悔するような彼・彼女たちのアクションも含めて、全て羨ましい。
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