書評 投稿ページ
投稿閲覧
ジャンル・タイトル・著者名
新書
業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊
著者名:牧野知弘

2018-04-26 菊池正男さん 東京都
「家・土地」バブル崩壊を読み、感想を一言。実は、昭和末期の土地バブルの時に、国土庁土地局で地価調査を担当していた者です。その時の土地の価格の上がりようはまさにバブル現象でした。千代田、中央、港区の商業地から始まった地価上昇が東京都心を時計回りに動き、それが住宅地にまで波及しました。住宅のマル優の廃止等による金余り現象、OA機器の普及や外資系企業によってオフィスビル需要の喚起、国土大都市圏整備局によるオフィスビル需要の過少評価が原因とされていました。基本的に日本は、金融機関がお金を貸すときの担保に土地を取ります。いわゆる、土地本位制も、土地価格上昇の大きな要因となります。日本が少子高齢化によって人口が減っても、大都市都市縁辺部は地価が下がっても、都心部の地価は経済が活発なうちは下がらないものと思量します。この本を読んで、なぜ今、東京の湾岸部や武蔵小杉にタワーマンションが林立しているかが理解できました。また、団塊の世代の6年間から7年ごとの人生の節目の需要も少なからず影響しているようにも感じております。次なる本の出版が待ちこがれます。

戻る