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小説(文庫を除く)
私は存在が空気
著者名:中田永一

2018-12-28 しじみFさん 東京都
 能力ってなんだろう。
 人に備わっている力。歩くこと、食べること、話すこと。
 これも能力なのかもしれない。
 ひとつひとつは取るに足りない力だ。
 本作品に登場するような、華やかなものではない。
 けれど例えば、一日に何キロも歩くことができる、人より速くたくさん食べることができる、大勢を笑わせることができる。
 これはやっぱり、それぞれに与えられた特殊な能力なのかもしれない。
 この短編集の主人公達は、自分達に与えられた能力に振り回され、それを隠しながら暮らしている。力なんていらないとすら、感じている。それでも出会いや経験を通して、きちんと折り合いをつけることができる。
 僕たちが持っている他愛ない能力も、きっとある瞬間には物語に成り得るのだ。
 自分の中に「人と違う力」をみつけた時、おそらくこの小説は、本当の意味を持つのだろう。


[編集部からのコメント]
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