2019-02-06 ウルちゃんの母さん 兵庫県 天涯孤独の青年が下町の人情熱い人たちに支えられて、一歩ずつ成長する話と言えば、「そんなええ人ら、めったにおらへんで。ありえへんわ」と鼻白むことが多いけれど、これは素直に「聖輔くん、良かったね」と言いたくなる小説。それは作者に力量があるということに他ならない。
登場人物のカギかっこの会話で進行していく箇所がよく出てくるが、彼らの話しぶりでコロッケ屋で働く人たち、ええ加減さがリアルな友達、亡き父の元の勤め先料理屋オーナー、金を無心に来る親戚などの人となりがよく伝わる。それぞれの登場人物が生き生きと描けている。「若い人、頑張れ」と言いたくなる。
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