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日本語は本当に「非論理的」か
著者名:桜井邦朋

2009-10-02 浮椎吾さん 鹿児島県
 私たちは「日本語」という語を自然と習得している。親と、友人と、先生と、それ以外の様々な人々と関わりを持っていく中で形成する――初めての「技能」である。社会に出る際には多少の矯正を施されることもあるが、それでも大筋を変えることなく、私たちはこの技能を使って一生を終えていく。しかし、この技能を本当の意味で疑って考えてみたことがあるだろうか? 私たちの話す内容が論理的になっているかどうか、真剣に考えてみたことがあるだろうか?
 本書で語られていることはそう難しいことではない。「文章の分節化」などは文を書く上での基本的な作法であろう。しかし読み終えたあとに自分の文(例えば“この”書評など)に目を移してみると、常日頃、自分がいかに非論理的な文を書いているかを認識させられる。まるで作法がなっていないことに気付かされる。自分の文を見直させる機会を作る啓発的な本である。


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