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 | 小説(文庫を除く) また、桜の国で 著者名:須賀 しのぶ | 
 | 2020-04-20 中村友哉さん 大阪府 知らないことを知っていくほど、覚える感動と痛みがあります。いまだに慣れることのないその感覚は、本書でもありありと感じられました。読み進めていくほど、深呼吸と目元をぬぐう回数が増えていきました。
もう、終わってくれ。誰でもいいから、戦争を止めてくれ。いくら心の中で叫んでも、死体は増えていくばかり。いっそのこと読むことを放棄してしまおうかとすら思うことも、幾度かありました。しかし、本書で行われた戦争は紛れもなくこの世界で起こったことなのです。当事者でもない私が事実を知ろうとするときに受ける痛みなど、どれほど些細なことでしょう。慎やレイが文字通り“命をかけて”伝えようとしたことに対して、目を背けて良いはずはないのです。
本書の読後感を感動と痛みの天秤にかけると、3:7になりました。その7は私の胸に深く刻み込まれ、いつかワルシャワの地へ運んでような気がします。
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