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一般書籍(小説を除く)
軍師 千利休 秀吉暗殺計画とキリシタン大名
著者名:加治 将一

2020-12-04 後藤篤美さん 大分県
歴史は立ち止まったらただの過去になってしまうものですが、加治先生はこれまでの既成観念を見事に覆してくれました。史料がないことは触れない、語らないのが一般的な学者です。しかし、この本には敢然と学者や学芸員に対する挑戦が見てとれます。溜飲が下がるとは正にこのことです。凡人ならば見過ごしてしまうことを、その裏に隠された真実にまで到達できる推理は見事としか言いようがありません。推理なくして真の歴史を掘り起こすことはできません。エピローグの最終行にある「裸の歴史を探ることが国を正し、整える前提であり、そのための歴史なのだ。」という文章にすべてが凝縮されています。特にキリシタンに関する研究では、宣教師が遺した書簡以外にこのような推理ができる方の活躍が望まれます。今後の書籍にも大いに期待が持てます。

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