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「スーパー名医」が医療を壊す
著者名:村田幸生

2009-12-11 島崎有造さん 高知県
医療現場が抱える問題点を、勤務医の視点から見事に明らかにした好書である。患者の側からだけでなく、医師の立場にも立って考えることが大切であることを再認識させてくれた。また、タブー視される本音の部分を公にされた勇気に拍手を送りたい。ただ、医療ドラマを例にして問題提起された部分が多かったので、具体的な解決策の方にもっと重点を置かれたら更に良かったと思う。本書で述べられた医師と患者との関係は、品質や価格の過当競争を招いている生産者と消費者との関係等、さまざまな社会問題にも共通するところがあると思う。昨今の日本人が忘れかけている「相手に感謝する謙虚な心」を取り戻すことが、これらの問題を解決する根本ではないだろうか。

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