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ジャンル・タイトル・著者名
小説(文庫を除く)
ひと
著者名:小野寺 史宜

2021-09-03 高橋 修さん 東京都
 この本を読み終えて、「20歳の頃の自分はどうだったのだろうか」とふと考えてしまった。浪人生、成人式にも行かず家で寝ていた自分を思い出した。主人公柏木聖輔は僕と比べるべくもなく、真正面から自分の人生に向き合って生きている、そんな心細くもあり、でも前に進まなければならないという強い気持ちも受け取れる主人公だと感じた。「ひと」としてとても魅力を感じ、「会ってみたい」が読了後の感想だった。
 ある時は心情を、伝わりやすい一人言葉で書かれ、ある場面では会話主体の話の展開は、とても読みやすく、気持ちが入りやすい。
 「ひと」が主題だけに、主人公の聖輔のほかに、青葉や店主の督次と詩子さん、映樹や一美さん、いやな奴だが基志、高瀬など登場人物すべてが魅力に溢れる小説だった。この本に会えてよかった。

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