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なぜ信用金庫は生き残るのか
著者名:鳥羽田継之

2022-02-15 加藤隆彦さん 神奈川県
城南信用金庫の支店長にお会いした際、親切な対応に感動した。職員の方も明るい笑顔に溢れ、家庭的なぬくもりを感じた。
「なぜだろう?」素朴な疑問を持った。城南信金は、日経2021年金融機関ランクで、「接客、対応が丁寧」部門1位となった。
信金は、株式会社と異なり地域の住民、会員から資金を集めた相互扶助が理念の共同組織である。
城南信金には、小原鐵五郎氏という信金業界の発展に尽力された理事長がおられた。
小原氏は、中小企業を富士山の裾野に喩えた「裾野金融論」を展開され、1966年に信金の株式会社化を進める政府に異を唱えた。
「超資本主義は貧富の差が開く。平和な世の中をつくるには、大企業中心の銀行に対し中小企業を支援する信用金庫が必要である」
氏の理念は、日本経済全体のバランスを考えた慧眼であり共感を覚える。鳥羽田継之氏の緻密な現場取材が光る。


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