2023-08-06 村井 淳さん 京都府 本書は、アイヒマンの経歴や戦後の逃亡、そして逮捕と裁判を分かりやすくまとめられています。アーレントは、アイヒマンらナチスを「凡庸な悪」と評しました。アイヒマンは悪魔ではなく平凡な人間であり、戦争もホロコーストもなければ、平凡な人生を送ったでしょう。では、なぜそのような人間が悪に走ったのか、それを考えることが大切です。彼を悪魔だと言ってしまえば、それ以上の原因を考えないでしょう。まさしく「思考の停止」です。一方でユダヤ人を救った人もいます。なぜでしょう。思考を停止しなかったのでしょう。本書は、日本にもそのような危険があると警告します。日本だけではなく、世界中にあるでしょう。歴史から学ぶことを教えてくれる一冊です。
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