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 | 新書 どうする財源 貨幣論で読み解く税と財政の仕組み 著者名:中野剛志 | 
 | 2023-11-19 タケチャン4619さん 埼玉県 日本の財政赤字の危機が叫ばれて長いが、日本国債の利回りや長期金利の利率が低いままという事を不思議に感じていた。もし日本の財政が抜き差しならない危機的な状況であれば日本国債の利回りはもっと上がるはずだ。本当に日本の財政は危ないのか?このような漠然とした疑問にこの本は明確に応えてくれた。何より先進民主主義国家の政府にとって自国通貨はいくらでも刷ることが出来る、自国通貨の国債の不履行というのはシステム的になり得ない、という説明が分かりやすかった。また、現代貨幣理論、いわゆるMMTについても決して怪しい貨幣理論ではなく、しっかりと理論に裏打ちされたものという事でもっと勉強してみたくなった。さらに私は日本の財務省が固執する財政健全化というものが、健全という文字から何となく大事なことと思わされていた。しかし、この本で説明された理論により、財務省の考えが、政府自ら際限なく需要に応じて信用創造できる現代の考えにそぐわないものと理解できた。財務省の財政健全化に凝り固まる態度は国民生活やインフレを甘受しながらの健全な経済発展の大切さなどを一顧だにしない、もはや宗教じみた信念となっているようだ。国民として財政に関する知識は重要であり、今後の増税局面やさらなる消費税アップに備えるためにも、この本はしっかり読み返したいと思います。ありがとうございました。
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