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日本語は本当に「非論理的」か
著者名:桜井邦朋

2010-02-27 海の若大将さん 神奈川県
桜井先生は尊敬する物理学者の一人です。私は、仕事の上で、文書を書く際に、正しくわかりやすい文章が書けているかどうか、常に気にかけています。しかしながら、つい「思う」という言葉を使ってしまいがちです。また、上司から届くメールでも「思う」とうい表現が、少なくありません。このため、本書を書店で見かけた際に、つい手に取ってしまいました。この本を読んで、多くのことを考えなおすよいきっかけとなったと「思い」ます。ただ、残念だったのは、P.108に「このようになるのは、言語の体系の成り立ちが究極的には、私たちの経験に根ざしているために、論理のみで数学の真理を証明することは不可能だからである。」と述べられていることでした。これは不完全性定理を正しく説明していないと「思い」ます。この点において、本書の論理性を疑うには、十分すぎることで、非常に残念でした。

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