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動乱期を生きる
著者名:内田 樹/山崎雅弘

2025-03-20 高島武雄さん 神奈川県
 ここ10年程度の日本は,「停滞」,「混乱」,「萎縮」あるいは「ウソとごまかし」の時代ともいえると思うが,「動乱期」と捉えるのは政治家や大企業に優しすぎるような気がする.本書は,1950年生まれの内田氏と1967年生まれの山崎氏の対談(というより共著)本だが,言説の絡み合いに両者の年齢差を感じさせない.その分,スリルも感じない.おそらく山崎氏が年齢の割には老成しているためであろうと見た.両者の日本の現状分析と,未来の予想にはほぼ同意するが,日本国憲法の前文と9条に触れてほしかった.平和憲法を活かすことで,あるいは日本の未来は明るくできるのではないかと思っている.原発に関する考えも知りたかったが,これは欲張りというものか.

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