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新書
「夫婦」という幻想
著者名:斎藤 学

2010-06-09 葵ささみさん 埼玉県
「アホで女性の気持ちに鈍感でそのくせプライドだけは高く、妻が長年発している夫婦関係の危機へのサインに気付かない」異性である男の側から、こういった提言がされるとは、日本にはまだ本物の文化人がいたんだなと目から鱗でした。男性の書いた自分勝手で稚拙な本にはなかなか手が出ませんが、本書はなんといっても読み物としても面白い!同性の香山リカの「ニート分析」、勝間和代の「プラス思考で行動あるのみ」、上野千鶴子の「勝ち組できたおひとり様のわたし達を破綻しつつある年金で支えよ貧しき若者たち」という説には抵抗があるのですが、本書はひとつひとつ「ふむふむ、そうそう!ふふふ、あははは!」と納得しながら読めました。作者の赤裸々な体験談も自説にうまく花を添えています。ただ、もう少しインパクトのある題名でもよいのでは?たとえば、『妻よ、捨てないで』とかなら女性も読みたくなる。『ひきこもりの作り方』なんていう同様だけれど視点を変えた本を出版したらどうでしょう?

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