己れの破滅的な生き様を文学に昇華させ、
最後の文士と呼ばれた男の死。
遺稿に綴られていたのは、
自殺したはずの実弟との奇妙な共謀関係だった!
果たしてこれは真実なのか?
ここに書かれたことは実現しなければならない──
好色で、酒好きで、暴力癖のある作家・須賀庸一。業界での評判はすこぶる悪いが、それでも依頼が絶えなかったのは、その作品がすべて〈私小説〉だと宣言されていたからだ。他人の人生をのぞき見する興奮とゴシップ誌的な話題も手伝い、小説は純文学と呼ばれる分野で異例の売れ行きを示していた……。ついには、最後の文士と呼ばれるまでになった庸一、しかしその執筆活動には驚くべき秘密が隠されていた──。
「どこまでが虚構か、はたまた現実なのか」
最後の最後まで目が離せませんでした。
凄い! 凄すぎる!
いまだかつて誰も読んだことのない世界が繰り広げられている。
読破するまでは、最後のページは絶対に開かないで!
ラスト1行に脳内絶叫した!
呆然としている。まだ夢の中にいるようだ。
何が本当で、何が小説の策略かわからない。
作家の先生を見る目が変わりそうで怖い。
正直、のっけから引き込まれました。
今も背筋がゾクゾクしています。
最初から最後まで常に驚きの連続でした。
ただただ凄いという言葉しか浮かばなかった。
面白い。とにかく面白い。この引き込まれ方は半端じゃない。素晴らしい作品です!!
二度三度読むことで、きっとまた別の一面が見えてくる、そう思います。
ラストは鳥肌が立ちました。完全に油断していました。
読了して数日経ちますが、今もって驚愕のクライマックスが忘れられません。
これは、なに? なにが、物語なの? どこまでが、真実なの?
めまいがする。頭がくらくらとする。
物語に取り込まれたのは、弟か、兄か。いや、私自身なのか──。
交錯する物語にすっかり引き込まれた。
夢中で読んでいるうちに、現実と虚構と、どちらに意味があるのか、
なんだか自分の現実まで失われていくようだった。
1987年生まれ。大阪府出身。北海道大学大学院農学院修了。2018年「永遠についての証明」で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー。他の著書に『夏の陰』がある。
この骨太な物語は半端のない熱量を持ち、
凄まじい引力で読み手を巻き込んでいく。
軽々しく口にしたくはないがこれは、まさしく“傑作”だ!