営業代行を専門とするMUGENグループ。入社2年目の南原航介は実績がなかなか出せず、あせりの日々を過ごしていた。そんな中、突然、本社から呼び出しが。 不安な面持ちで本社に向かうが、営業本部長が口にしたのは意外な特命だった。 「上位0.1%のセールスマンたちのノウハウを探れ!」 早速、トップセールスの営業現場に同行して、その秘密を探ることに。しかし、彼らの実像は、南原の想像を絶していた。交渉の途中で突如席を立つ営業マン。お客に笑顔を見せない化粧品販売員。銀座のクラブの店長をしながら年に300台のコピーを販売する男。 彼らの実像を探るうちに、営業という仕事の印象が変わっていく。 そして、南原自身が大きな決断を迫られる"事件"が発生した……。
社長時代、デッドライン(締切)を設けて残業ゼロを徹底させ、19年連続増収増益を達成した私にしてみると、この小説の登場人物たちの世界はまったく未知のもの。とはいえ、ご自身が0.1%のトップの実績を出し続けてきた著者だからこそ描ける奥の深いビジネスがそこにはあり、部外者の私をして興奮させてしまう何かがある。小説としても、実に面白いのだが、ビジネス書を読む時と同様、メモ書きをしている自分に驚きを感じた。
トップセールスを誇る営業マンは、腹黒さと純粋な心が同居しているという。言葉を巧みに操りながら、誠心誠意お客に接するのである。そのとき彼らは役者になる。あるいは医者にも、学者にも、芸者にもなるのだった。本書にはそんなトップセールスマンたちの営業ノウハウと素の顔が、惜しみなく描かれている。しかし、これが痛快極まりない。読んでいて実に気持ちいいのだ。こんな小説は、ちょっとない。感心、感激、感動の物語がここにある。
「ビジネスに効く!」と長谷川千波さんお薦めの小説&コミック。厳選10冊をご紹介します。PDFにまとめました。
祥伝社から2015年2月に新刊が発売される著者ふたりが、それぞれの読者のために対談します。 お互いの本の読みどころや感想を存分に語っています。それぞれの新刊の読みどころとポイントが、より深くご理解いただけます。
この二つの特典は、特設サイトから無料でダウンロードできます。
そのサイトの詳しい情報は、『営業の悪魔』巻末をご覧ください。
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長谷川千波――教材販売会社の中央出版出身。全社の営業社員が競うセールスコンテストで、トップセールスマンとして表彰者の常連に。26歳で大阪支社の営業所長に抜擢される。2000年以降、複数の新規事業立ち上げに参画。生産性の高い営業組織づくりで年間優秀所長としてたびたび表彰される。2008年、営業分野に特化したコンサルタントとして独立。NTTグループなど大企業から、専門商社やベンチャー企業まで、さまざまな企業のコンサルティングに携わっている。2011年、小社から『人見知り社員が№1営業になれた私の方法』を上梓。愛知県生まれ。