たらちね、taratine、垂乳根・・・いつの頃まで、この言葉は使われていたのだろうか。
淡々とした静かなリズムを刻む日常の中で、密やかに生まれているドラマ。私達をとりまく現実の中で、今日もおきているかもしれない物語を丹念に浮かび上がらせる一編、表題作「タラチネ」。
男と女が一緒にいて恋愛感情が芽生える・・その有り様の多彩な風景を描く「恋愛物語」。
その他「ゆめのはなし」「頭痛の種」「わずか10セン`」を収録した傑作短編集。
■ストーリー
夫と離婚し、女手ひとつで2歳半になる娘を育てている女性。彼女のもとに離婚後初めて「娘に会いたい」という元・夫からの電話が入る。5ヶ月ぶりの対面は・・・(「タラチネ」)
男の人に苦手意識がある葉子は『男』にどう接したらいいのか、よくわからない。『男』に誘われるまま、今日もデートに出かけるが・・・(「恋愛物語・第1話」)
阿部(♀)は勤務する会社の学生バイトで4つ下の金井君と姉弟みたいに仲良し(!?) 銭湯代をケチる阿部が金井君の部屋のおフロを借りに行くくらいだから。でも・・・(「恋愛物語・第2話」)
■初出誌
「恋愛物語」:『フィールヤング』1999年9月号、10月号、12月号、2000年3月号、7月号、8月号
「タラチネ」:『フィールヤング』1999年11月号
「ゆめのはなし」:『キューティ・コミック』(宝島社) 2000年1月号
「頭痛の種」:『フィールヤング』2000年9月号
「わずか10センチ」:『フィールヤング』1999年5月号
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