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サバイブ!

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CHARACTER

黒川虎太郎(コタロー)

大企業の内定後に末期がんが発覚。
退院後、“生きるため”に起業を決意。
ハッタリ多め。

白井博(ハク)

コタローの高校時代の
サッカー部同期。
県庁に入職したが、
コタローの
志に翻意し副社長に。

森野四葉(ヨツバ)

ライバル会社に常駐で出向していた
クリエイター。
仕事中はヘッドフォンが定番。干し芋を常食している。

谷山健之助(タニケン)

全国セールス1位の有名
アパレルブランド店員。
以前は
ニートだった。自分の型を持たず、
良くも悪くも素直な性格。

新出真帆(シンディ)

長期インターンとしてやってきた
大学4年生。
愛嬌もあって憎めない
キャラクターだが、本心は……?

ベルナルド宮本

投資家。コタローに起業を促した張本人。
なにかと気にかけてくれるが、
ビジネスに対しては超シビア。

Story

黒川虎太郎(コタロー)は大学四年生。大手企業からの内定も獲得し、堅実な人生を送っていく――はずだった。だが、全身のだるさを覚えてかかった病院で、ステージⅣの悪性リンパ腫と告げられる。抗癌剤治療が失敗に終わり、絶望に襲われるコタロー。体力も気力も底をつきそうな入院中、唯一の慰めは動画を見ることだった。そんなある日、コタローは一冊の本に出合う。『生きるための起業』――著者は有名な投資家、ベルナルド宮本。たちまち魅了され、コタローも「生きるために」起業したいと思うようになる。
 続く二次療法が成功し、なんとか死を免れたコタロー。退院と同時に、大学を辞め、残りの人生を起業に全振りすることに。高校時代の同級生、白井博(ハク)と二人で会社を立ち上げたものの、事業内容も資金の調達先も何も決まっていない。決まっているのは社名――「サバイバーズ」だけ
資金力なし、経験なし、計画性なし。有るのは志とビジョンだけ。創業から二十年後に生き残っているベンチャー企業は、たったの0.3%。業務内容は動画制作ということは決まったものの、行き当たりばったりすぎる経営で、「サバイバーズ」はこの先、生き延びることができるのか……?

Chart

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Interview

2025年8月に刊行された、
岩井圭也さんによる『サバイブ!』。
本の刊行と、同原作のショートドラマ
(※アプリ配信ドラマ)の同日リリースという
史上初の試みはいかにして誕生したのか⋯⋯?
『サバイブ!』の創作秘話に
編集部が迫ります! (文・編集部)

お集まりの皆さん

  • 大澤穂高さんフラッグシップオーケストラの創業者。代表取締役社長。
  • 前田大翔さんフラッグシップオーケストラ取締役。
  • 小澤良隆さんフラッグシップオーケストラ創業時メンバー。
  • 工藤 玲さんフラッグシップオーケストラ創業時メンバー。
  • 森 和也さん大澤さんと、フラッグシップオーケストラを共同で創業。ショートドラマ『サバイブ! 死ぬくらいなら起業してやる』のプロデューサーでもある。
編集部『サバイブ!』は、ステージⅣの末期がんを告知された若者が「生きるため」に起業し、仲間を増やして数々の困難に立ち向かっていく、お仕事×青春小説です。
岩井圭也さん(以下、岩井)この小説、実はショートドラマとの連動企画になっておりまして――帯にも大きな文字で書かれてあるんですけれど。
編集部本の刊行と、アプリ配信のショートドラマを同日にリリースするという、史上初の試みですね。
岩井はい。前代未聞すぎて、原作本が刊行される前に、ドラマのロケ見学をさせてもらったという。笑
編集部そうでした。まだ本文は校正中で、カバーのイラストも完成前という、編集作業まっただなかでのタイミングでしたね。
ショートドラマ撮影の1コマ。
キャスト陣が『サバイブ!』のカバーイラストの構図を再現!
『サバイブ! 死ぬぐらいなら起業してやる』の脚本。
編集部注:何度も言いますが、まだ原作本は出来上がっていません。
映像チェックをする、監督&著者&プロデューサー。
編集部ところで、主人公が「生きるために」作った会社――サバイバーズ株式会社には、モデルとなった実在の会社があると聞いています。
岩井そうなんですよ。株式会社フラッグシップオーケストラ(以下、FSO)という会社なんですけれども。動画制作をされている会社で、このショートドラマ『サバイブ! 死ぬくらいなら起業してやる』の制作もされています。
編集部そもそも、岩井さんとFSOさんの 出会いって、どういう形だったんですか?
岩井最初は知人の紹介で、まずはFSO代表の大澤さんと取締役の前田さんにお会いして。
大澤穂高さん(以下、大澤)そうですね、ショートドラマ事業をやり始めた直後くらいの時期で。ちょうど、これまでのショートドラマとはちょっと違った大作を作りたいと思っていたタイミングだったんです。最初は、岩井さんがすでに書かれている小説の、映像化のご相談ができないかという下心がありまして。笑
岩井同じ歳ということもあって初対面で意気投合して、お酒が入るうちに「じゃあ、私が原作を書くので、 それを大澤さんがショートドラマにしてください」という流れになり――。
編集部なぜ「起業」がテーマになったんでしょう?
岩井「ビジネスもの」にしようということで、あれこれ考えていたんですが、いやいや、FSOさん自身のエピソードが一番面白いんじゃないかと。大澤さんの創業時のお話と、前田さんご自身のお話が すごく印象に残っていて。
前田大翔さん(以下、前田)私は学生時代に起業したんですが、大学三年生のときに、ステージⅣの悪性リンパ腫と診断されたという話をしたんです。
岩井それで休学されて。今は完全寛解して、FSOの取締役として活躍されていて。
しかもFSOの新卒採用第1号なんですよね。
前田そうなんです。
岩井それで、前田さんから闘病当時のことを、大澤さんからは創業時のことをあらためてじっくり取材させていただきました。後日、創業当時のメンバーである工藤さん、森さん、小澤さんにもインタビューさせていただいたんですが、やっぱりこれがまたすごく面白くて。
編集部見えてきました。サバイバーズ株式会社には、 5人のメンバーがいますものね……!
岩井サバイバーズ代表のコタローのモデルは、 闘病に関する部分は前田さんで、起業家としての部分は大澤さん。ちなみに大澤さんも、創業当時の頃ですけど、サバイバーズ同様、社員数をちょっとね、ハッタリで多めに書いていたという。
大澤当時、4人しかいないとき、50人って言って営業していました。
岩井本社ビルの名前も――。
大澤「マンション」のところをちょっとね、「ビルディング」と呼んでいたり。
岩井あくまで「当時は」ですからね、今はもちろん、そんなことはされていないです。
大澤今はものすごく、 真っ当にやっております。
岩井続いてタニケンのモデルですが、実は70%ぐらいはほぼそのままFSOの工藤さんなんです。工藤さんは元某アパレルに勤めておられて、 実は売上全国一位だったんですよね。それでいて――。
工藤 玲さん(以下、工藤)はい、元ニートです。
岩井このエピソードを聞いたときに、ちょっと面白すぎるなと思って。それにタニケンってある意味、謙虚というか、自分がないというか。工藤さんも、お話を聞けば聞くほどそんな感じで。
編集部それにしても、どういうテクニックで全国一位を獲得されたんですか?
工藤教えてもらったとおりにやったんです。
岩井そもそも、どうしてFSOに入社されたんですか?
工藤大澤に呼ばれたから入りました。
編集部…………。
岩井でも、 やっぱりいろいろお話を伺っているとすごく優秀で、結果も出されている方だし、そこも面白いなと。工藤さんはもうほぼそのまま、タニケンというキャラクター設定に生かさせていただいています。
編集部残るは、 ヨツバとシンディのモデルですが――。
小澤良隆さん(以下、小澤)僕がシンディです。
FSO(一同、身を乗り出し)どのへんが……?
小澤そこは、やっぱり僕のスタイリッシュさですね。編集部注 : 小澤さんは柄シャツとサングラスが似合う、アラフォー男性です。
編集部すると森さんは……?
森 和也さん (以下、森) 見ての通り、ヨツバです。編集部注 : 森さんはメガネと顎ひげが似合う、アラフォー男性です。
編集部あれ? ハクがいません。
岩井実はハクのモデルは私です。自分の会社員時代の体験なんかも踏まえつつ、自身を投影して書きました。というわけで、やっぱり森さんはヨツバで決まりですね。
ありがとうございます!
岩井こんなふうに、FSOの方々の個人的な体験談や創業直後のドタバタ感など、『サバイブ!』には、FSOの皆さんから伺った実際のエピソードがかなり入っています。
ちなみに、タニケンがPCの開け方を知らなかった――という衝撃のエピソードも実話です。笑
これまで書いてきた小説でも取材はしてきましたが、基本的にはもちろん、ストーリー性は自分で考えるものだし、それが自分の仕事だと思ってやってきました。
けれども、今回は今までとはちょっと違う方法で書かせてもらって――つまり、実際にあった出来事をベースにして、そういう面白い実話を取り入れさせていただきながら、でも自分の創作も加えながら、というかたちで。
今作においては、100パーセントすべて自分の頭で考えるよりも、ある意味、強固な世界観を作れたように思います。それは得難い経験でしたし、今後の小説家としての仕事の仕方にも影響してくるような気がしています。

Comment

著者プロフィール
1987年生まれ。大阪府出身。北海道大学大学院農学院修了。2018年『永遠についての証明』で第9回野生時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー。『最後の鑑定人』『楽園の犬』で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、『完全なる白銀』で山本周五郎賞候補、『われは熊楠』で直木賞候補。『文身』(祥伝社文庫)で KaBosコレクション2024金賞を受賞。他に『舞台には誰もいない』『いつも駅からだった』(ともに小社刊)など、著作多数。
撮影・宇佐美亮

review

何度負けたって勝つまでやるだけだ。この先になにが待っているのかは、やり続けた者にしか見えない景色がある。なんと胸熱な物語でしょう。最高でした!

(未来屋書店 大日店 石坂華月さん)

チャレンジできることは尊い!
そう信じる勇気がもらえる物語です!

(紀伊國屋書店京橋店 坂上麻季さん)

ベンチャーなんて、と斜めから見ていたのに、いつの間にかそのむさ苦しいほどの熱の渦に巻きこまれていた。

(アバンティブックセンター寝屋川店 永嶋裕子さん)

それは死線をさまよった者だけがもつ「生きる」ことへの執着、「働く」ことへの情動なのかもしれない。「生きろ!そして働け!」さまざまな人間の業を描いてきた岩井圭也だからこそのストレートなメッセージを受け取った。

(精文館書店中島新町店 久田かおりさん)

書店員歴も気づけば20年を超え、作中のみんなのように若くはないけれど、「よし、私もやってやろうじゃないかっ!」という気持ちがムクムクと湧き上がってきました!

(勝木書店 二の宮本店 樋口麻衣さん)

熱く爽やかな風のような小説だ。『サバイブ!』何重にも意味を持つこのタイトルは、胸熱展開のこの物語をよく表していて本当に素晴らしい。コタローについつい声援を送ってしまう自分がいる。今の日本のビジネスモデルの問題も大変分かりやすく、色々な業界の色々な人に読んで欲しい、素晴らしき良きビジネス小説だ。

(虎ノ門書房 根本隆仁さん)

読めば、きっと元気になれる。やろうと思えたら、できないことなんてないってパワーがみなぎってくる。毎日がつまらないとか、行き詰まっているとか…、是非そんな方にこそ出会って欲しい!

(走る本屋さん高久書店 高木久直さん)

これはいい年齢のわたしが胸を熱くするほど、働くこと、生きることに向き合う若者たちの真摯な姿を描いた作品。

(水嶋書店くずはモール店 井上恵さん)

始まりから不穏…だが始まりがないとこの小説ははじまらないのね。何もかもに絶望のはずが一転、だから全てが素晴らしい。生き残ることへの足掻きと執着。やってみる、ずっと負けでもひとつ勝てば良いという精神。トップとしての確固たる意思が目に見える。

(水嶋書房くずはモール店 桝田愛さん)

都合の良い物語ではない。 だが、ここには希望がある。光輝く希望が。

(宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん)

これはさわやかな青春小説ではなく、
泥臭い青春小説です。

(紀伊國屋書店エブリイ津高店 高見晴子さん)

心の中に火がついた!彼らの中に自分もいて目頭と胸が熱くなる。サバイブ魂でどんどん楽しくなってくるのだ。無限大のエネルギーを放つ小説に、素直に感動した!!!

(うさぎや矢板店 山田恵理子さん)

すべての”生きる”人に読んで欲しい一冊

(蔦屋書店熊本三年坂店 三瀬弘泰さん)

胸にたぎる熱い想いは、きっと多くの人に伝播し、
人生を生き抜く糧となる。

(本の森セルバ岡山店 横田かおりさん)

100回負けても終わりではないと言いきれる情熱がこちらまで伝わってくる。生きるための仕事、仕事のために生きること、表裏一体の輝きがど真ん中に刺さってくる。

(書泉ブックタワー 山田麻紀子さん)

のっけからクライマックスのような展開でハラハラでした。綺麗事だけではない世の中で、芯を貫く”サバイバーたち”に声援と称賛を送りながら読みました。

(フタバ図書MEGATSUTAYA祇園中筋店 新竹明子さん)

ぱっと未来が明るくなる、
気持ち良い読了感が清々しい!

(フタバ図書 TSUTAYATERA 広島府中店 沖野めぐみさん)

大人になっても最高の青春って続くんだと、胸に気持ちの良い風が通り抜けていくような感覚でした。

(岩瀬書店富久山店 吉田綾乃さん)

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book

サバイブ!

岩井圭也

四六判 定価:1980円(10%税込)
ISBN:978-4-396-63682-1

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好評既刊

文身

祥伝社文庫 定価:858円(10%税込)
ISBN:978-4-396-34873-1
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舞台には誰もいない

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祥伝社文庫 定価:836円(10%税込)
ISBN:978-4-396-35086-4

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サバイブ!

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