鎌倉にある名門・冬汪高校二年の滝蓮司は、眉目秀麗だが変人の卯月麗一とともに生徒や教師からの様々な依頼を解決する〝学内便利屋〟活動にいそしむ。
よく晴れた秋の日、〝凄惨な動画〟がＳＮＳで注目を集める。
蓮司と麗一は、動画内で自殺を図り何者かを告発した男子高校生・円城寺蒼と交際していた少女・田崎菜月から、ある依頼を受ける。
――蒼は何者かに脅迫されていたのではないか。
真実を知ろうと調査を進めるふたりは〝人の闇〟と直面する。良妻賢母と評判の、蒼の母親・貴子、お嬢様学校に通っているはずの菜月、同級生から慕われていたという蒼自身にさえも、仄暗い噂が……。
さらに事件は過去へもその業火を広げてゆく！
冬汪高校2年。”学内便利屋”のたこ糸研究会の会長。秀才をあつめたA組に在籍。困ったひとを見ると放っておけない性格で、人助けはもはや趣味。もしくは主食。小柄だが身体能力は高め。父方の祖母がイギリス人のクオーター。
冬汪高校2年。たこ糸研究会副会長。容姿端麗、高身長と一見ハイスペック男子なのだが、それを裏切る超変人。私服はほぼキテレツな名前入りのジャージ。正直、成績はふるわないが、天才的なひらめきと奇人的な執念を兼ね備える。
富裕層御用達の私立横浜聖英学園高校2年。同級生から慕われ、成績優秀な模範生徒だったが、突然、別の高校に乗り込んで凄惨な映像を放送し、血塗れの姿で飛び降りを図る。
円城寺蒼の恋人。聖英学園に通う2年生。小動物を思わせる、愛らしく楚々とした雰囲気を持つ美少女。蓮司と麗一に、蒼は何者かに脅されていたと示唆し、調査を依頼する。
円城寺蒼の母。上大岡駅近くの洋菓子店勤務。美人で人当たりよく、良妻賢母と評判。命は助かったものの、一時意識不明となり精神障害を負った蒼に、寄り添い続けるが…。
神奈川県出身。早稲田大学文学部卒業後、一般企業に勤務しながら、小説執筆に挑戦。前作 『 ドールハウスの惨劇 』 で第二十五回 ボイルドエッグズ新人賞を受賞した。デビュー作らしからぬ筆力とキャラクター造形の妙を兼ね備える、期待の大型新人。同作は重版となり、SNSでも話題に。尊敬する作家は、ヘルマン・ヘッセと川端康成。
学生の探偵ものと甘く見てはいけない。
微笑ましいやりとりと闇が深い事件！
前作を凌ぐ“ギャップ”に驚かされた。
ジュンク堂書店 郡山店 郡司めぐみさん
タイトルの真意に戦慄する作品。
互いを思いやる友情に救われつつも、更なる事件との遭遇を願ってしまうほどの鮮やかな結末に圧倒された。
明林堂書店 南宮崎店 河野邦広さん
待ってました、たこ糸研究会！
蓮司と麗一のキャラクター造形がさらに深まり、前作以上の奥行きが感じられました。事件が凄惨さと複雑な経緯を辿るなかで、知的遊戯に留まらないミステリーの痛みを二人と共有しました。
ジュンク堂書店 旭川店 松村智子さん
警察をも情報収集に利用し、誰よりもはやく真相に迫る、冴えわたる麗一の推理は読んでいて楽しい!!
でも、クライマックスに近づくにつれて面白さは戦慄に変わっていく。
ジュンク堂書店 名古屋栄店 西田有里さん
“学内便利屋シリーズ”、最高に面白い!!
ミステリーとしても素晴らしいし、青春小説としても楽しいし、バディ小説としても最高!!
二人の次の活躍ひたすら待ってます！
文真堂書店 ビバモール本庄店 山本智子さん
衝撃的なはじまりから、
怖ろしいゆりかごに乗せられ、
惨劇の輪が一気に繫がり、
激しく揺さぶられる！
それでいて、ふたりの高校生探偵は爽やかなのだ。
うさぎや 矢板店 山田恵理子さん
読みはじめたら止まらなかった。
今回は色々、推理しながら読むのが楽しかった。（結局、最後まで犯人当たらなかったです）
たどり着いた推理を聞けば、ああなるほど、そんな描写あったなと思わせる、
途中の描写こそさりげなくて秀逸だったと思う。
宮脇書店 ゆめモール下関店 吉井めぐみさん
どっぷり、このミステリーにはまって、秀逸さにうなった。
一作目も面白かったですが、二作目はもっとすごかったです。
ジュンク堂書店 滋賀草津店 山中真理さん
さまざまな斬新なアプローチから、真実を手繰り寄せていく様子に驚きが止まりません！
その洞察力、行動力、推理力、すべてに感服です。
紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子さん
衝撃の冒頭から深まる疑惑に一寸たりとも目が離せない。
過去と現実がつながった瞬間、見えた光景に身震いが止まらない！
ブックジャーナリスト 内田剛さん