梅津有希子のだし生活、はじめました。

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にんべんで勉強してきました

創業300年を超えるかつお節専門店、にんべん

 なんともタイミングよく、「にんべん」が開催するおだし教室に参加することができた。
 創業300年を超える、老舗のかつお節専門店「にんべん」。わたしの中では、かつお節といえば「にんべん」だ。どのスーパーにも置いてある、小分けのかつお節「フレッシュパック」と、そばやうどんに欠かせない「つゆの素」は祖母も母も愛用しており、子どもの頃から身近な存在だった。おそらくこの2つは、ほとんどの日本人が見たことがあるのではないだろうか。かつお節専門店の「正しいだしのとり方」を学べるまたとない機会。さっそく申し込んでみた。
 初めて足を踏み入れる、日本橋のにんべん本社。まずは、社員の方による「かつお節が出来るまで」の説明からスタート。
 1本のかつお節が出来るまでに、実に半年近くもかかる。専門用語なども多く、素人が理解するのはなかなか難しい。しかし、かつお節を作るのには、ものすごい手間がかかっているということはよくわかった。「世界一硬い食品」としてギネスにも認定されているかつお節は、とてつもない手間と時間をかけて、カビをつけては乾かす、という過程を繰り返して出来ていたのだ。

 小さなプラスチックのコップに入った荒節、枯れ節、本枯れ節、昆布、顆粒の5種のだしで、利きだしも。

 そして、かつお節だしのとり方のデモンストレーションを見学。かつお節のことなら何でも知っているにんべん社員の方が、手際よくだしをとる。用意するものは、水1リットルにかつお節30グラム。作り方は以下の通り。

 

1 水が沸騰したら刺し水を少々加え、蒸発した分を補う。かつお節をすべて入れる。一気に入れるのがポイント。

2 すぐに火を止めて30秒~1分間待つ。かつお節が鍋の底に沈むのが目安。

3 布やキッチンペーパーなどでこしたら、一番だしの出来上がり。えぐみが出るので、絶対にしぼらないこと。

 

荒節、枯れ節、本枯れ節、昆布、顆粒で、利きだしをやってみました

 たったの1分。出来上がったかつお節だしは、なんとも美しいシャンパンゴールド色。かつおぶしのものすごくいい香りが、室内にたちこめている。香りだけでもホッとするくらいだ。
 一番だしをとった後、同量の水(1リットル)を加えて10分ほど煮立ててこすと、二番だしの完成。豊かな味と香り、そしてにごりのないシャンパンゴールドの一番だしは、お吸い物や茶わん蒸し、みそ汁などに。二番だしは、一番だしに比べてやや香りが弱くなるものの、濃いうま味が特徴。煮物や炊き込みごはん、鍋物などにおすすめとのこと。昆布だしを合わせれば、「かつお節と昆布の合わせだし」になる。

 

梅津有希子

ライター/編集者。1976年、北海道出身。雑誌編集者を経て2005年に独立。現在、女性向けのwebや雑誌、書籍を中心に、食、ペット、暮らし、発信力などのテーマで執筆や講演を精力的に展開している。著書に、ドラマ化もされた『終電ごはん』(幻冬舎)をはじめ、『使い切りたい調味料ベスト10!』(幻冬舎)『吾輩は看板猫である』シリーズ(文藝春秋)『ミセス・シンデレラ 夢を叶える発信力の磨き方』(幻冬舎)などがある。

 

公式サイト:umetsuyukiko.com

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