登場人物紹介

島田鉄斎(しまだてっさい)

おけら長屋唯一の浪人でまとめ役。津軽藩の剣術指南役を致仕して、現在は林町の誠剣塾で師範代を務める。

 

お染(おそめ)

四十代の色香を漂わせるわけあり後家。悲しくも波瀾万丈な半生を越え、おけら長屋でのびのびと暮らす。

 

万造(まんぞう)

絵に描いたような江戸っ子気質。口は悪いが人情家で、機転が利く。騒動を起こすのも、まとめるのもお手の物。

 

松吉(まつきち)

万造とつるんで騒動を盛り上げる。長崎に行った万造の帰りを待ちながら、二人の店・万松屋を準備してきた。

 

金太(きんた)

八百屋の棒手振り。野菜の区別もつかず、銭勘定もお客さん任せだが、純粋で心優しい気性をみなに愛されている。

 

八五郎(はちごろう)

左官。腕もよく気風もいい。しかしどこか残念な、心優しき中年男。喧嘩っ早くてだまされやすいのが玉に瑕。

 

お里(おさと)

八五郎の妻。噂好きで思い込みが激しくノリが良い。娘のお糸が八五郎の弟弟子・文七に嫁ぎ、孫に雷蔵がいる。

 

お満(おまん)

江戸一の薬種問屋・木田屋の娘で医師。海辺大工町の聖庵堂で修行後、長崎に留学。万造と夫婦になった。

 

お栄(おえい)

おけら長屋連中の溜まり場・酒場三祐の看板娘だったが、松吉と所帯を持ったのちに独立。栄屋を開業した。

 

徳兵衛(とくべえ)

おけら長屋の大家で最長老。万松の悪乗りを??りつつ、結局流される。甲州に息子、藤沢に娘がいる。

 

辰次(たつじ)

魚屋の棒手振り。気性はいいのに女に振られ続け、万松にいじられる日々を送る。しかし、ようやく春が来た。

 

お蓮(おれん)

笛職人の娘で、万造と生き別れの母を引き合わせた立役者。それを縁におけら長屋と出会い、魚屋の辰次と……。

 

久蔵(きゅうぞう)

呉服屋・近江屋の手代。見知らぬ男に襲われて身籠もったお梅と夫婦になった。亀吉とお鶴の二児の父。

 

与兵衛(よへい)

相生町の乾物屋・相模屋の隠居。口うるさく、悪口や嫌味ばかり言うので、煙たがれている。

 

喜四郎(きしろう)

畳職人。畳屋で奉公している時に知り合ったお奈津と所帯を持った。派手な夫婦喧嘩ばかりしているが、実は愛妻家。

 

お奈津(おなつ)

喜四郎の妻。おかみさん連中の妹格。喜四郎と夫婦になる前に、未婚で子をなした苦労人。

 

佐平(さへい)

たが屋。一本気な職人気質で酒好き。一時、博打にはまったが、負けに負けて、今は酒だけに戻った。

 

お咲(おさき)

佐平の妻。佐平との間に子供はいないが夫婦仲は良い。お里と同じくノリが良く、始終お節介にてんてこ舞い。