第113回 新刊『すきなもの たのしいことA to Z』刊行記念
杉浦さんに直撃インタビュー!

みなさま。今回は新刊記念ということで、特別に、
杉浦さんご本人に、新刊についての想いをお応えいただきました。

 

Q1 新刊『すきなもの たのしいことA to Z -'80s~'90s少女カルチャーブック』。このタイトルに込めた思い、このタイトルの意味を教えてください。

イラストレーターになる前、なったあとも、ずっと「自分の"好きなもの、楽しいこと"を人に伝えたい!」という思いが一番で、絵と文を描いてきました。
タイトルには、そんな自分の「好き」の原点に立ちかえる意味合いを込めました。


初版のみ、毎度お馴染みサーヤ新聞「マーマリンングトーク」付き。

 

Q2 今回のテーマは、杉浦さんが長くあたためていた企画?

いえ、14歳下のなかよしの編集Iさんが考えてくれた企画です。
「80年代をテーマにした本を」と、10年以上前から言ってくれていたのですが、
すぐにはピンときませんでした。
8年前に今回付録につけた「AtoZわたしのおきにいり」という作品を見た彼女が、
「こういう絵本みたいな本にしましょうよ」と提案してくれていました。
ぐずぐずしているうちに時は流れ、今年は仕事を始めて30周年の年。
昔をふりかえるテーマは、記念的な本として最適かも、と
2年ほど前からようやく本格的に動きはじめました。
すでに案を出してくれたIさんは他部署にうつられていましたが、
一緒に作戦会議をしてくれたり、協力をお願いしました。
当初彼女が提案してくれたときは80年代ブームの時期でしたが、
その後90年代、Y2Kとブームが移り変わって、昭和レトロも定番になった
今の時期に出せてむしろよかったかもしれません。


文化屋雑貨店で買ったもの、グリコのおまけなど昔からのガラクタが入った箱。

 

Q3 今年2023年は杉浦さんにとってイラストレーターデビュー30年の記念の年。この記念の年に、この本を出版される想いをお聞かせください。

せっかくだから記念っぽい本を作りたいなぁと思っていたところへ、以前から温めていた
"80年代の振り返り"のアイデアが合致してこの本が生まれました。
ちょうど東京に引っ越してきて記憶がはっきり残っている10歳が1981年で、
80年代のみにこだわらず、絵の仕事をはじめる93年までのことを描くことにしました。
仕事をはじめるまでの自分を作ってくれたもの、ことを改めて振り返り、
全部今やっているとことにつながっているなぁとしみじみ。
そして好きなものの根っこは変わらないんだな、と改めて感じました。


連載中、フリマアプリで見つけてしまい、つい懐かしくなって買ってしまった80年代の「リッチガール」のセーター。

 

Q4 本の中では、古着、初めてのレコード、漫画、交換絵日記……などなど、いろんな話題が出てきますが、特に印象に残っているエピソードは?

たくさんあるので、描くうえで印象に残ったものを。
「憧れのイラストレーター」は、最初雑誌『mcシスター』について描くつもりが、
気がつくと女性イラストレーターの話になってしまいました。
雑誌の中でファッションはもちろん大好きでしたが、私にとってはあのころ憧れた
女性イラストレーターの印象がとにかく強いんだな、と改めて気がつきました。
家族で出掛けていた軽井沢の絵は、ノスタルジックな80年代の雰囲気で描けてとても楽しかったです。
色褪せた家族旅行の写真を、目を皿のようにして細部まで見て描くのですが、
ぼんやりした霞の向こうに昔の記憶が思い出されて、不思議な時間でした。
「いちご新聞」のページは、権利上の問題でキャラクターの絵を描くわけにはいかないので、
イメージだけでサンリオについてどう描こう? と悩みました。
結局いちご新聞をきっかけに、あちこちに出掛けていく12歳のワクワクを表現することにしました。
これを書いているうちに、行動を共にしていたTちゃんに会いたくなり、
15年ぶりくらいに連絡してみました。
長野在住なのですぐには会えませんが、旧交をあたためられたのも嬉しい副産物でした。


2023年の7〜9月に弥生美術館で開催された森本美由紀さんの展覧会に展示された、
高校時代の私の森本さんノート&ファイル(下)。

 

Q5 書籍化の前に「コフレ」で連載をしていただきました。連載時に寄せられた反響で、印象残っている声はありますか?

「ドゥファミリイ」の回はかなり反響がありましたね。
今も現役のブランドですが、40~50代の世代にはたまらないノスタルジーがあるのですよね。
同じくアクセサリーショップの「ウィークエンズ」も、なつかしがってくださる方が多かったです。
「憧れのイラストレーター」の回をきっかけに、弥生美術館で開催された森本美由紀さんの展覧会に、
私の高校時代の森本さんのイラストの切り抜きファイルを展示していただけたり、
元『mcシスター』のスタッフだったライターの方から、当時の思い出の品を譲り受けたり、
素敵な出会いもありました。


元シスター編集部員のYさんにいただいたものの一部。「ドゥファミリィ」のノベルティ…!

 

Q6 この本の読みどころは? どんなふうに読んでもらいたいですか?

同世代より上の方には時代的になつかしがってもらえると思いますが、それ以外の若い方にも、
絵を描くのが大好きなとある女の子の成長物語として読んでいただけると思います。
どの世代にも好きだったお菓子、音楽、洋服、お店がそれぞれあって、内容は違っても、
憧れやときめきの気持ちは変わらないはず。
経済力はなくとも、行動力と妄想力だけはたくましかったあのころを思い出していただけたら、嬉しいです。


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