著者プロフィール/その他の既刊

辻堂 魁

1948年、高知県生まれ 。京都工芸繊維大学中退。早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務を経て執筆業に入る。2010年に『風の市兵衛』が発表されるや、主人公で渡り用人の唐木市兵衛が、算盤を片手に生計を立てる飄々とした姿と、〈風の剣〉でか弱き者たちのために一途に戦う姿が、圧倒的支持を得てシリーズ化される。2017年には作家生活10周年を迎え、「風の市兵衛」も20作を超える大ヒットシリーズとなる。翌2018年には、唐木市兵衛の新たな魅力と今まで明かされてなかった秘話を解き明かすために、新展開「風の市兵衛 弐」が新シリーズとしてスタートするなど、ますます精力的に執筆活動を続けている。主な作品に「日暮し同心始末帖」シリーズ、「夜叉萬同心」シリーズ、「仕舞屋侍」シリーズほか。

 

 

「日暮し同心 始末帖」シリーズ

1巻~

1 はぐれ烏
9784396342029
620
風貌は頼りなし。ただし、腕におぼえあり!

北町奉行所平同心・日暮龍平。旗本ながら部屋住みを嫌って町方に婿入りした、妙な男である。ひょろりとした痩躯に柔和な風貌だが、実は小野派一刀流の遣い手。何も知らない同僚は、雑用をおしつけ〈その日暮らしの龍平〉と嘲笑うが、一向に意に介さない。ある日、北町奉行から凶悪強盗団の探索を命じられ……剛剣で江戸の悪を一掃する痛快時代小説!

2 花ふぶき
9784396342173
620
町方をなめるな! 小野派一刀流の遣い手が悪を斬る。

柳原堤で物乞いと浪人が次々と斬殺された。殺しの夜の隅田川には奇声が響いていたという。探索を命じられた北町奉行所の平同心・日暮龍平は、絶大な人気を誇る女義太夫姉妹の存在を知る。その美しく物悲しい節回しとは対照的な、ひいき筋の旗本の異様な興奮振りを龍平は疑うが……身分を楯にした傲慢な若侍の暴走を、龍平の剛剣が裁く。迫真の第二弾!

3 冬の風鈴
9784396342333
630
成り変わりの仏に隠された、ささやかな幸せとは?

佃島の海に男の骸があがった。役人が正視できないほどの撲殺であった。仏は石川島の人足寄場を出たばかりの無宿人と見られたが、成り変わりと判明。探索の結果、三年前に起きた未解決の妙な押しこみ事件が浮上し、一人の風鈴を愛する妾の関わりが疑われる――やがて、すべての真実がひもとかれたとき、北町奉行所平同心・日暮龍平の豪剣が唸りをあげた!

4 天地の螢
9784396342630
620
斬られるかもしれぬ――。凄腕の人斬りに龍平がとった手は。

両国川開き大花火の深夜、薬研堀で勘定組頭が斬殺された。刀を抜く間も与えぬ凄腕に、北町奉行所平同心の日暮龍平は戦慄した。先月の湯島切通しと亀戸村堤での殺しに続く凶行だった。探索の結果、いずれの現場近くにも深川芸者くずれの夜鷹の姿が。やがて、人斬りと女のつながりにとどいた龍平は、悲しみと憎しみに包まれた真相に愕然とし――小野派一刀流の剛剣が唸る圧巻の時代小説!

5 逃れ道
9784396342883
630
何人殺せば幸せになれるだろう。

神田堀八丁堤で菱垣廻船問屋の番頭が殺された。臨時で定町廻り方となった北町奉行所平同心の日暮龍平は、早速、探索を引き継ぐが難航する。同じ頃、龍平は息子の俊太郎を地回りから救ってくれたお篠に出会う。お篠の夫は彼女を描いた錦絵が評判の絵師だった。ところが、番頭の遺品にその錦絵が見つかるや、お篠の過去に捜索の手が――秘した哀しみが涙を誘う、万感の時代小説。

6 縁切り坂
9784396343361
630
おれの女を斬ってなにが悪い!

内藤新宿のはずれ、成子町で比丘尼女郎の千紗が首の骨をへし折られ殺害された。犯行を目撃しただろう妹は、その日以来、姿を隠してしまう。探索する北町奉行所平同心の日暮龍平は、千紗が執拗に付きまとう男から逃れるため、深川から流れてきたと知る。さらに、過去を探ると千紗と妹との因果が明らかに。やがて、妹の危機を知った龍平は、下手人の身勝手な動機に鬼となり……。

7 父子の峠
9784396343736
620
この哀しみ、晴れることなし!

年寄りばかりを狙った騙りに、老夫婦が首をくくった。蓄えのすべてを奪われていた。再び定町廻り代理を命じられた日暮龍平は、若い猿引き夫婦を捕縛、夫は打ち首、病身の妻は放免とされた。妻・お楽は故郷の会津に義父・重右衛門を訪ねる。一切を聞き復讐の鬼と化した重右衛門は、あろうことか龍平の息子の俊太郎を拐かした! 憤怒する龍平は親として剣をとり追跡するが……。