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2001年 12月刊 10月刊8月刊7月刊5月刊4月刊3月刊 ・ 2月刊
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長編本格推理 書き下ろし
黒祠(こくし)の島
小野不由美
ISBN4-396-20708-5
『屍鬼』から2年! 新世紀の幕開けを飾る注目作!
孤島、因習、連続殺人
1949年『獄門島』、1987年『十角館の殺人』、そして…
その島は風車と風鈴に溢れ、余所者(よそもの)には誰も本当のことを話さなかった──作家葛木志保(かつらぎしほ)が自宅の鍵を預け失踪した。パートナーの式部剛(しきぶたける)は、過去を切り捨てたような彼女の履歴を辿り、「夜叉島」という名前に行き着いた。だが、島は明治以来の国家神道から外れた「黒祠の島」だった…。そして、嵐の夜、神社の樹に逆さ磔(はりつけ)にされた全裸女性死体が発見されていた…。島民の白い眼と非協力の下、浮上する因習に満ちた孤島連続殺人の真相とは? 実力派が満を持して放つ初の本格推理!

黒祠とは──
明治政府の採った祭政一致政策によって、神社は信仰の対象ではなく、国民が義務として崇敬する対象とされた。神社は国家の宗祀として社格制度のもとに統合され、国家の施設とされた。全国の神社は位階制によって整然と編成され、行なわれる祭祠も国家の定めた様式に統一された。この統合に与しないものは迷信として弾圧されなければならなかった。国家神道の中にあって、黒祠とは、統合されなかった神社を言う。それは迷信の産物であり、言わば邪教である。

【著者紹介】
大谷大学文学部卒業。在学中は京都大学推理小説研究会に在籍。講談社X文庫ティーンズハートで作家デビュー。『東亰異聞』が第5回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となる。作品に『十二国記』シリーズ(講談社)、『東亰異聞』『屍鬼』(新潮社)など。大分県生まれ。


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陰陽師
安倍晴明
3 終(つい)の章
谷 恒生
ISBN4-396-20709-3
伝奇スペクタクルロマン 完結!
邪、妖、怪の陰謀と難敵!
晴明の理想は成るか
天慶7年(944)、安倍晴明が主宰する土御門(つちみかど)神道は、平安京の市井にひろがっていた。だが、人気を妬み、肩入れする成明親王の東宮(皇太子)冊立を阻止すべく、陰陽師蘆屋道満は最後の策を打った。妖婦朧(おぼろ)を、朱雀帝の寵姫である縫姫になりかわらせ、睦言によって晴明、成明とその後見人の大納言師輔を失脚させるのである。ここに、晴明たちは最大の危機に陥った…。 晴明はこの難局を如何にして乗り切るのか!? 理想政治の達成は? 平安王朝に描く壮大妖美の伝奇ロマンついに完結!

〈著者のことば〉この物語の主人公成明(なりあきら)親王は21歳で即位し、村上帝となった。以後、村上帝は摂政や関白を置かず、18年にわたる親政を行なった。 これを天暦の治(てんりゃくのち)といい、村上帝は聖帝と称された。この天暦の治を陰で支えたのが安倍晴明であることはいうまでもない。
南北朝時代、鎌倉政権の打倒に立ちあがった後醍醐帝の目的は、村上帝の天暦の治を理想とする親政を行なうことであった。このように平安王朝で、ともすれば飾り雛的な存在になりがちだった歴代天皇のなかで傑出した帝だったのである。
陰陽師安倍晴明は今回で大団円を迎える。読者諸賢にはご堪能いただけたでしょうか。

【著者紹介】
1945年、新宿に生まれ、鳥羽商船高校卒業後、一等航海士として世界の海を巡る。この経験をもとに1977年、直木賞候補となった『喜望峰』と『マラッカ海峡』を同時発表、正統派冒険小説の旗手として鮮烈なデビューを飾る。以後、幅広いジャンルで活躍を続けて、近年は主に歴史小説に力を注いでいる。


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天才・龍之介がゆく!
殺意は砂糖の右側に
痛快本格ミステリー
柄刀 一
ISBN4-396-20710-7
有栖川有栖氏が面白さを保証!
『このミステリーはページをめくる手を止めさせない』
“知能指数190! 生活能力0!”の新キャラクター誕生
「10円玉を持っていないか」という不思議な言葉を残しクラブ経営者が撲殺された。被害者は麻薬取引の疑惑を持たれていたが、その右手にはなぜか1円硬貨と50円硬貨が握られていた…。小笠原諸島から初めて都会に出てきた純朴で愛すべき天地龍之介は、数々の奇妙な事件に遭遇する。料理コンテストや国際線の機上、はたまたフィリピンの田舎町で…。学究一筋の青春を送ってきた龍之介が、科学者並みの頭脳とちょっとズレた感性で事件の謎に挑戦する。果たしてIQ一九〇の天才推理は?

ページをめくる手を止めさせない〈速い短編集〉 推理作家 有栖川有栖
歴史・科学・宗教などを題材にした〈重厚で濃密な本格ミステリ〉でファンの喝采を浴び、熱い注目を集める柄刀一氏は、小気味よいスピードで矢継ぎ早に力作を放つ〈重くて、濃くて、速い作家〉だ。また、短編集『アリア系銀河鉄道』のような前衛的・実験的作品を書くテクニックと大胆さも備えているし、『マスグレイヴ館の島』では軽やかでトリッキーな本格ミステリを披露してくれた。
本書『殺意は砂糖の右側に』は、それらの要素が溶け合った〈軽やかで、濃くて、トリッキーな好短編集〉である。そして、読者にページをめくる手を止めさせない〈速い短編集〉であることを保証する。

【著者紹介】
一九九八年、島田荘司氏、有栖川有栖氏に激賞された第8回鮎川哲也賞の最終候補作『3000年の密室』でデビュー。奇想と時空を超えたトリックで、いま、ミステリー・ファンから最も熱い注目を集める新本格の旗手である。本書は「現代社会を舞台としたキャラクター探偵ものはひじょうに難しい」と語ってきた著者が敢えて挑んだ意欲作である。天地龍之介という稀代の名探偵を得て、柄刀氏が描くミステリー世界の魅力はさらに増した。著作に『サタンの僧院』『4000年のアリバイ回廊』『400年の遺言』『ifの迷宮』『アリア系銀河鉄道』『マスグレイヴ館の島』がある。昭和三十四年生まれ。北海道札幌市在住。


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大東京三十五区
冥都七事件(めいとななじけん)
物集高音(もずめたかね)
ISBN4-396-63184-7
両先生、御推薦!
高橋克彦 「奇想横溢、戦慄全巻の感あり。まさに天下一の奇書ならん」
京極夏彦 「帝都の幽昧をゆるがす7つの探偵譚。巧緻玄妙なる犯罪小説に酔うべし」
未だ闇深き「冥都東京」に現わる七ツの謎、謎、謎──血を吐く松、石雨れる家、
夜泣きする石、迷路の人間消失、予言なす小さ子、消える幽霊電車、天に浮かぶ文字──
これら奇々怪々、不思議、千万の事件を取材するは、
早稲田の芋ツ書生にして、雑誌の種とり記者の阿閉万(あとじよろず)。
かたや、その綾を解いて見せるは、下宿館の家主で、「玄翁先生」こと間直瀬玄藩(まなせげんぱ)。
この大家と店子(たなこ)の珍妙なる問答の末に、明かされる意外な真相とは?
安楽椅子ならぬ“縁側探偵”の名推理とは?
面妖な謎、洒脱(しゃだつ)な文体、精緻な罠(トリック)、怜悧な論理(ロジック)! 探偵小説(ミステリ)の真骨頂がここにある!
瞠目の奇才、ついに本領を現わす!

近来随一の快著なりと世評高き物集君の新刊読了す。まさに天下一の奇書ならん。構想精緻、趣味万遍、奇想横溢、文味清涼戦慄全巻の感あり。物集君の文運いよいよ盛んとなるを確信せり。読書子も必ず購(もと)めてこの驥足(きそく)の天翔けるを見届けられるべし。                         高橋克彦

扉を開ければ馥郁(ふくいく)たる耽奇(たんき)の芳香漂い、頁を繰れば幻夢恠奇(かいき)なる冥界の全景(パノラマ)が屹立す。奇書『血食』を著した物集高音氏が満を持して放つ、帝都の幽昧を揺るがす7つの探偵譚。絶奇を求め大奇を猟る博識の著者が練りに練った、巧緻玄妙なる犯罪小説集に酔うべし。       京極夏彦

【著者紹介】
1964年生。散文家。
『血食』講談社(1999年)
『冥都七事件』(本書)


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双子幻綺行(そうしげんきこう)
洛陽城推理譚(らくようじょうすいりたん)
森福 都
ISBN4-396-63185-5
美貌の双子兄妹が立ち向かう「優雅な陰謀、華麗な流血」才知と勇気、歴史と謎…珠玉の推理傑作集!
「満開の牡丹のごとき酔い…みごとにやられた!」田中芳樹氏脱帽
<躑躅(つつじ)の花は杜鵑(ほととぎす)が啼(な)きながら吐いた血が滴(したた)って真紅に染まる>水面(みなも)の紅(あか)は無数に群れ咲く躑躅の花びらだけではない──洛陽(らくよう)城内の庭園で、宮廷付き美人歌手の死体が池の畔(ほとり)で見つかった。
杜鵑が啼く春の惨劇は三年続き。事件は、躑躅の別名杜鵑花(とけんか)にちなみ、『杜鵑呪(じゅ)』と呼ばれて、宮中を震撼させる。同じころ、則天武后(そくてんぶこう)の名で知られる女帝・聖神(せいしん)皇帝の寵愛を、深くその身に受ける王兄弟が失踪した。二つの事件を追う若き宦官(かんがん)・馮九郎(ふうくろう)と双子の妹香連(こうれん)が到達した意外な真相は?(第一話「杜鵑花」)
大唐(とう)帝国初頭、ひととき洛陽に咲いた周(しゅう)朝の下(もと)、美貌の双子兄妹が立ち向かう妖しい古都の事件の数々。珠玉の推理傑作集!

「満開の牡丹のごとき酔い。みごとにやられた!」作家 田中芳樹
中国のロココ時代ともいうべき女帝・武則天(ぶそくてん)の治世。優雅な陰謀と華麗な流血のただなかを駆けぬけていく美しい双子の兄妹がいた。たのむべきは才知と勇気。そしてたがいの信頼のみ。
花の都・洛陽(らくよう)に展開する歴史と謎の物語は、設定からして魅力的だが、読みすすむにつれ、満開の牡丹(ぼたん)のごとく人を酔わせてくれる。一字一句ごとに、舞台となった土地と時代の香りが立ちのぼってくるようだ。
読者としての幸福を満喫(まんきつ)できただけでなく、同業者としては主人公兄妹の歴史上の正体もふくめ、みごとにやられたという思いがする。作者の現在に脱帽するとともに、その将来に畏敬(いけい)の念を禁じ得ない。

【著者紹介】
1963年、山口県生まれ。広島大学卒業後、製薬会社勤務を経て、'96年「長安牡丹花異聞」で第3回松本清張賞、『薔薇の妙薬』で第2回講談社ホワイトハート大賞優秀賞を受賞してデビュー。D・フランシスを深く敬愛し、主に中国を舞台に描かれる作品群でもミステリーの趣向が大きな魅力となる。祥伝社既刊に『黄土の虹』(共著)。


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革命(The Revolution)
大野 芳
ISBN4-396-63186-3
破防法適用第一号 三無クーデター事件
両氏絶賛!
鎌田 慧(ルポライター)「この徹底取材の精神と、壮大なる構想力に脱帽!」
保坂正康(作家・評論家)「20年に及ぶ取材と膨大な資料。昭和地下水脈をあぶり出した!」
政府・銀行のモラルハザード、金融機関の相次ぐ破綻…。
金権主義に走った戦後日本の現状を予言した一人の起業家。
彼は、旧軍人たちと共に、“革命”でどんな社会を目指したのか?
昭和三十年代──高度成長期直前の日本は、混沌を極(きわ)めていた。折しも安保闘争が全国を席巻(せっけん)。共産主義が台頭する一方で、利益を最優先する政府・銀行のモラルハザードが始まった。希代の起業家川南豊作(かわみなみとよさく)は、日本の行く末に猛烈な危機感を抱いた…。そこで彼は、旧軍人、旧陸士、五・一五事件、二・二六事件の関係者らを結集し、無税・無失業・無戦争をスローガンにした「三無(さんむ)主義」を“革命”によって実現すべく行動を開始した! 彼らの動向をキャッチした公安との熾烈(しれつ)な攻防! 知られざる破防法適用第一号「三無事件」をもとに、満を持して昭和史の裏面を描破したノンフィクション・ノベル巨編!

徹底取材の精神と壮大なる構想力に脱帽! 鎌田 慧(ルポライター)
この徹底取材の精神と壮大なる構想力には脱帽した。出口なしの閉塞時代のいまも、地下で何かが蠢(うごめ)いている?

昭和の地下水脈をあぶり出した渾身作! 保坂正康(作家・評論家)
安保闘争の余韻さめやらぬ昭和三十六年に発覚したクーデター未遂事件。三無事件と称されるこの事件は未(いま)だ歴史の闇の中に閉ざされている。誰がどのような意図をもって計画したのか。無税・無失業・無軍備のスローガンは何を意味したのか。著者は二十年に及ぶ取材と膨大な資料で、五・一五事件、二・二六事件の影を背負う旧軍人たち、軍と結びついていた政商、新世代の民族派、それを追う公安関係の動きを執拗(しつよう)に追い求める。昭和三十年代の日本の地下水脈が今、私たちの前にあぶり出されてくる。

【著者紹介】
1941年愛知県生まれ。明治大学法学部卒。雑誌記者を経て執筆活動に入る。徹底的に取材されたその巧緻(こうち)構成の作風は、高い評価を得ている。著書に『1984年の特攻機』『オリンポスの使途』『ハンガリア舞曲をもう一度』『山本五十六自決セリ』『絶海密室』『瀕死の白鳥』などがある。


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