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2001年 12月刊 ・ 10月刊8月刊7月刊5月刊4月刊3月刊2月刊
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長編求道小説書下ろし
破戒坊(はかいぼう)
広山義慶
ISBN4-396-20728-X
伝説のスケコマシ・菅原志津馬(すがわらしずま)を超える悪党がいた!
タフでスケベでワルイ奴!
極悪坊主・村井法源(むらいほうげん)のゼニ道、スケ道、ケンカ道
刑期を終え出所した伝説のヤクザ・村井法源は愕然とした。暴力団新法により、組は消滅し、仲間の行方は知れない。悪の限りを尽くしてきた男が直面した厳しい現実。極道はこれからどうやって稼(シノ)げばいいのか。その折、密かに組織犯罪を追っていた神代(じんだい)刑事が刺殺された。神代は「警察に事件は解決できない。だが法源には出来る」という遺書を残していた。犯罪には、株式会社化して拡大する暴力団・仙田組が関係するという。神代の言葉の意味は? 法源は金儲けの臭いを嗅ぎつけた…。

〈著者のことば〉世の中元気がない。不景気のせいか、善人や平和主義者が増えつづけている。この種の人間が増殖すると、世の中、確実に滅亡する。こういう時こそ、 「金」と「女」への欲望に眼をギラギラさせたエネルギッシュな男の登場が待たれるのではないか。そこで創造したのが村井法源。南房州館山(みなみぼうしゅうたてやま)の寺の生まれで前科三犯。生まれながらの三つ玉で、精力絶倫腕力絶大度胸満点。この男が十二年の刑期満了で出所して来たら、世の中バブルが消えて浦島太郎の気分。だが、この男負けてはいない。父の遺品の法衣を着て河内山宗俊(こうちやまそうしゅん)よろしく奸智(かんち)悪知恵を振りしぼって暴れまくる。まさに平成版河内山宗俊の登場。乞うご期待!

【著者紹介】
「小説執筆の中でつねに拘(こだわ)ってきたのは、権力に背を向ける男たちの生き様でした。彼らの滅び行く姿が魅力的に思えてならないのです」そう語る氏の中で、本書の村井法源というキャラクターは、人物造型の集大成だという。一〇〇冊を超える作品を上梓している氏が、見出した極めつけの男とはどのような人物なのか? 久しぶりに精根尽きた執筆だったと苦笑しながら、表情には自信が漲(みなぎ)っていた。早稲田大学仏文科を卒業後、翻訳、児童文学、TVドラマの脚本、劇画原作などの仕事を経て、昭和五十八年『夏回帰線』でデビュー。著書に、バイオレンス小説界に大旋風を巻き起こした『女喰い』シリーズなど多数。昭和十二年、大阪市生まれ。


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長編伝奇小説
(たま)の柩(ひつぎ)
高橋克彦
ISBN4-396-20729-8
畢生(ひっせい)の大作『竜の柩(ひつぎ)』に続く待望の最新巨編!
宮澤賢治、江戸川乱歩、コナン・ドイル…
大正浪漫霊能冒険行(スピリチュアル・アドベンチャー)!
「たしかにここは十和田湖畔だ。しかし…」九鬼虹人(くきこうじん)たちは眼前の光景に驚愕した。世界各地に〈竜〉の足跡を追い、さらにイシュタル神の導きで縄文日本へ旅した彼らは、ようやく「現代」へ帰還したはずだったが──到着地はなんと、大正八年の日本だった。やがて、若き日の宮沢賢治、江戸川乱歩らと出会った九鬼は閃(ひらめ)く。「現代」に帰るには〈神〉と交信するしかない──かくて霊能(オカルト)ブームの英国へ旅立つ彼らを待つものは…。〈神〉とは? 〈霊魂〉とは? 人類最大の謎に挑む大河伝奇ロマン、瞠目の新展開!

〈著者のことば〉柩のシリーズは歴史小説ではないが、私に歴史小説を書く喜びを教えてくれた物語である。過去の歴史は確実に今に繋(つな)がっている。過ぎ去った問題ではなく、今を修正する鍵となる答えを内包していると気付かされた。日本はどこに行くのかという問いには、日本はどこから来たのかをまず考えないといけない。 未来を眺める鏡として、この作品では大正時代を選んだ。あのうだるような熱気とモダン、進取の気概と才能の輩出。大正こそ日本文化のピークと言える時代ではなかったか。そのエネルギーを復元し、取り戻すことこそが我々にとって大事なことだと考えている。
虹人(こうじん)たちの彷徨(さまよ)う大正時代は過去であると同時に未来の理想国家の雛形(ひながた)でもある。

【著者紹介】
昭和二十二年、岩手県盛岡市に生まれ、早稲田大学卒業後、昭和五十八年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成三年『緋(あか)い記憶』の直木賞など、各賞を受賞した後、平成十二年に『火怨』で吉川英治文学賞を射止めた。浮世絵をはじめとする美術、歴史、超常現象と幅広い興味をもとに多彩な作風で活躍し、まもなく著作が百冊に達する氏は、地元岩手では「みちのく国際ミステリー映画祭」や「黄金短編小説賞」(最優秀作品は『小説NON』誌に掲載)などの文化事業にも協力。本書は古代史、とりわけ神話世界の合理的、論理的解明にも挑む巨編『竜の柩』(祥伝社刊)に始まる大河伝奇シリーズの、待望の続刊である。既刊は『偶人館の殺人』『空中鬼』(ともに祥伝社文庫)など。


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NON時代伝奇ロマン
戦国魔火矢(マフィア)
羽山信樹
ISBN4-396-20730-1
文芸評論家 菊地 仁氏 激賞
「ゲームを超えた面白さ。司馬遼太郎『国盗り物語』の対極にある大傑作!」
若き日の信長と独立戦闘集団との死闘を、豪胆な発想で描いた痛快無比の戦国ロマン!
戦国動乱のただ中、いかなる勢力にも与(くみ)しない精鋭の独立戦闘集団があった。人呼んで“魔火矢(まひや)党”。その若き首領・土岐名誉(ときめいよ)は巨富を得るため、並みいる梟雄(きょうゆう)の利権を貪り、援軍を請いに日参する戦国武将を、逆に策謀の闇に葬っていた。下克上の裏に暗躍する魔火矢党の真の狙いとは? やがて次なる標的(ターゲット)を織田信長と今川義元に定めた名誉は、想像を絶する作戦を信長に仕掛けた! 雄大にして大胆な構想と軽快な筆致で贈る、興奮必至の傑作戦国アクション!

爽快でエネルギッシュな傑作 文芸評論家 菊地 仁
 私はかつて二十一世紀の時代小説界を担うのは羽山信樹を筆頭に安部龍太郎、宮本昌孝の三人だと思っていた。特に羽山は戦国にしろ幕末にしろグローバルな視点にたつことにより、従来の常識的な解釈を内部から打ち壊すことを意図していた。
本書と同じ題材を扱った作品に司馬遼太郎『国盗り物語』があり、これを正史にのっとった傑作とすれば、本書は稗史(はいし)(小説体の歴史)のまぎれもない傑作である。発想の奇抜さ、プロットの巧みさ、人物造形のユニークさなどは、ゲームを超えた面白さで、平成不況をけちらす爽快でエネルギッシュな作品である。これこそ大衆小説が巷間(こうかん)にあって持ち続けてきた、戯作者の反骨精神の賜物(たまもの)であろう。

【著者紹介】
1944年東京生まれ。武蔵工大卒業後、8年にわたり、各国を遍歴。'84年『流され者』を刊行し、鮮烈なデビューをかざる。強烈な個性を放つ実力派として活躍が期待されたが、'97年急逝。主な著書に『第六天魔王信長』『滅びの将──信長に敗れた男たち』『夢狂いに候』『是非に及ばず──異聞信長記』『邪しき者』『波濤の王』(祥伝社新書判)ほか多数。


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大川わたり
山本一力
ISBN4-396-63201-0
文芸評論家 藤田昌司氏感涙!
「苦難にめげない男の美学。我々に大きな勇気をくれる本だ」
賭場の借金を返すまで、なにがあろうと大川を越えて深川に足を踏み入れられない若い大工を描く長編時代小説
「二十両をけえし終わるまでは、大川を渡るんじゃねえ。どこでなにしようと勝手だが、それ以外で一歩でも渡ったら、その場で始末する」腕利きの大工である銀次の足は、永代橋を前にして動かなくなった。最愛の女性を失ったのがもとで賭場にはまり、挙句、仲間の家庭まで潰した銀次。その責めに押され更生を決意したものの、深川を追放されたとなれば仕事は激減する。博徒猪之介の縛りがどれほどきついことか、思い知ったのだ。懊悩(おうのう)し変転する運命を甘受(かんじゅ)した銀次。やがて、一条の光明を見出した時、思いもよらぬ奸計(かんけい)が銀次に牙を剥(む)いた──ひとたび渡れば引き返せない、意地を貫く男の矜持(きょうじ)を注目の新鋭が描く感涙の長編時代小説。

苦難にめげない男の美学に勇気が湧く! 文芸評論家 藤田昌司
 ちょっとした失意がもとで賭場にはまった若い流しの大工が、わずか半年で二十両もの借りを作ってしまう。きれいにするまで、住みなれた深川から追放、大川から一歩でも入ってきたら殺すと宣告され、立ち直りを決意、町道場で心身を鍛え、呉服商の大店(おおだな)の手代になる。顧客の評判もよく大量の注文が相次ぐが、順風満帆とはいかない。男社会のねたみ、そねみ、そして奸計(かんけい)。気がつけば重大な危機に……。
 起伏に富んだストーリーだが、安普請ではない。何よりも人間に対する深い洞察力がいい。作者が追求しているのは、苦難にめげない男の美学だ。「甘えの構造」が寒風に吹きさらされている今こそ勇気を与えてくれる。

【著者紹介】
1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒業後、様々な職業を経る。'97年、江戸の下町を舞台に市井に生きる人々を描いた短編「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。その後『損料屋喜八郎始末控え』『あかね空』が読者を魅了し、一躍、時代小説の新しい書き手として注目を一身に集める俊英である。


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書下ろし長編時代推理
戯作者 滝沢馬琴
天保謎解き帳
永井義男
ISBN4-396-63202-9
博覧強記、怜悧な頭脳、卓抜の想像力…
名探偵は不世出の文人
『八犬伝』の戯作者が江戸の怪事を暴き出す!
天保十二年(一八四一)、正月。江戸の鮫河橋谷町(さめがはしたにまち)で奇妙な事件が起こった。町で評判の人面犬によく似た桶(おけ)職人の万次郎が、へっついに首を突っ込み死んでいたという。果たして、事故か他殺か?
直後、人面犬の飼い主である米屋の放蕩(ほうとう)息子が消息を絶った…。話を伝え聞いた戯作者・滝沢馬琴は疑念を抱き、下(しも)掃除人の斧吉(おのきち)と嫁のお路(みち)に調査を命じた。齢(よわい)七十五歳、目は見えずとも『南総里見八犬伝』を創作中の馬琴が、その博覧強記と想像力で繙(ひもと)いた事件の裏側とは?(「第一章 人面犬騒動」より)天保の改革間近の爛熟(らんじゅく)した江戸文化を舞台に、歴史の虚と実を織り交ぜた著者真骨頂の時代推理小説!

滝沢馬琴【明和(めいわ)4年(1767)〜嘉永(かえい)元年(1848)】
江戸・深川に旗本の用人滝沢運兵衛興義(うんべえおきよし)の五男倉蔵として生まれる。十歳にして家督を継ぎ、主君の孫八十五郎に仕えるが、暗愚に耐えかね十四歳で出奔(しゅっぽん)。旗本の間を渡り奉公しながら俳諧などを学び、文学趣味を涵養する。二十四歳のとき戯作で身を立てることを決意して山東京伝(さんとうきょうでん)に弟子入りし、もっぱら黄表紙を著す。その後本格的な読本として刊行した『月氷奇縁(げっぴょうきえん)』が好評を博し、戯作者として独自の境地を確立。文化11年からは『南総里見八犬伝』を途中眼疾に見舞われながらも28年かけて完成させ、後世の作家たちに多大な影響を与えた。著書に『椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)』など多数。

【著者紹介】
1949年生まれ。'97年、和算を題材とした時代推理『算学奇人伝』(祥伝社文庫)で第6回開高健賞正賞を受賞、本格的な作家活動に入る。緻密かつ広汎な史料の渉猟(しょうりょう)と、卓抜の着想で描かれる氏の作品は、独自の時代エンターテインメントとして注目を集める。著書に、『大江戸謎解き帳』『夜鷹殺し 闇の平仄(ひょうそく)』『将軍と木乃伊(ミイラ)』(以上小社四六判)『阿哥(あご)の剣法』『江戸狼奇談』(以上祥伝社文庫)の他、『中山通算学奇談』『影流暗殺刀』『酔いどれ暗殺剣』など。


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