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2001年 12月刊 10月刊 ・ 8月刊7月刊5月刊4月刊3月刊2月刊
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NON時代伝奇ロマン
虚空伝説
青般若の章
高橋直樹
ISBN4-396-20726-3
“生き地獄”を呼ぶ暗黒のヒーロー、矢月 繋 江戸無法地帯の闇を裂く!
「あんたよう、人間じゃねえな」
「あんたよう、人間じゃねえな」餓鬼草子の異名を持つ刺客・矢月繋(やづきつなぐ)が、蘭と名乗る美少年を見据えた──。製糸景気に沸き、博徒が町々を束ねる上州。蘭の率いる不良集団青般若は、うさ晴らしに孝行者の二人兄弟を嬲り殺したのだ。一方、蘭の情婦有希は、豪商砂羽(すなわ)家の裏金五百両を入手してしまったが…。江戸爛熟期の無法地帯で、欲望と妄念が激しく交錯する時、徳川家門外不出の秘密を追う男、矢月繋が“生き地獄”を呼び寄せる! 時代小説界に新風を吹き込む非情の伝奇ロマン、待望の最新刊!

〈著者のことば〉先日、米国で同時多発テロが発生し、これぞ新世紀の戦争だと騒がれている。
戦争はいつの世でも悲惨なものだ。戦争による生き地獄はわかりやすい。映像などによって視覚的にとらえられるからだ。
だが個人の心に棲む生き地獄は、映像によって万人が共有することはできない。戦争も飢餓もなく社会がどれほど繁栄しようとも、人の心に棲む生き地獄はなくならない。光は必ず影をつくる。この物語の主人公矢月繋(やづきつなぐ)は、人の心の影が生んだ暗黒のヒーローだ。暗黒のヒーローがもっとも憎むのは金八先生のような偽善である。だが社会では偽善こそ王道だ。悲しむべきか……。

【著者紹介】
1960年、東京生まれ。'92年「尼子悲話」で第72回オール讀物新人賞を受賞してデビュー後、直木賞の候補等を経て、'97年『鎌倉擾乱』で第5回中山義秀文学賞を受賞。本格歴史小説を執筆する一方で、従来の歴史小説では消化しきれない世界に挑んで独自の地歩を築く。著書は『絹の筵旗(むしろ)』(祥伝社四六判)など多数。最新刊は『湖賊の風』。


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書下ろし 長編推理小説
(とむら)い屋
本間香一郎
ISBN4-396-20727-1
新直木賞作家・藤田宜永氏、拍手喝采!
「ねばりがある。腰が据わっている。
これは、一筋縄ではいかない作家の登場だ!」
封印していた男の怒りが京の街で爆ぜた!
〈あとは余生を食いつぶすだけだ──〉闇社会での凄絶な日々、そしてその報いで母を狂い死にさせてしまった神井政史(カムイ)は、生きる力を喪失し、ペットの葬儀屋を生業としていた。そのカムイの前に現れた男たち。彼らは、葬儀のビデオ・テープが欲しいという。喫茶店経営者の愛犬の葬儀を撮影したビデオをなぜ欲しがるのか? 直後、カムイの旧友・柳川武司から連絡が入る。関東の暴力組織幹部となった柳川までもがビデオを譲ってほしいという…。男の再生を精緻に描く傑作ハードボイルド誕生!

京都にはハードボイルドがよく似合う 作家・藤田宜永
 京都はハードボイルドの世界に合わない街なのか。それは大いなる誤解だ。雅な世界の裏側にこそ、光を避ける人間が暗躍しているものである。祇園界隈には老舗のお茶屋だけが軒を並べているわけではない。ちょっと奥に入ると、迷路のような路地が拡がり、胡散臭そうなニオイが漂っている。京都は奥が深いのだ。
 本書も、多くのハードボイルド小説同様、乾いた文体で、スピーディーに物語を展開させている。しかし、本間香一郎氏の文体は乾いているだけに留まらない。ねばりがある。腰が据わっている。それは、人生経験から作者が自然に会得したものに違いない。一筋縄ではいかない京都を舞台にする、一筋縄ではいかない作家の登場に拍手を送りたい。

【著者紹介】
1999年、『置き去りの街』(カッパ・ノベルス)で推理文壇にデビュー。デビュー作は北方謙三氏をして「大きな可能性を示した処女作」と言わしめ注目された。続く第2作『捨てたはずの街』(同カッパ・ノベルス)では、大沢在昌氏から「人物の匂いに魅力がある」と賞賛される。本書は、京都の裏社会を舞台としたハードボイルド第3弾である。京都大学農学部卒業。1940年、京都生まれ。


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七人の岡っ引き
小杉健治
ISBN4-396-63199-5
十手が暴く真実に、さらけ出される悲哀と色欲と人情と……。
熟練の妙手が描く時代小説集
泣ける
「おめえの償いはこれで終わったわけじゃねえぜ。おめえを見逃したのはあの親娘(おやこ)のためだ。いいか。十蔵と会っちゃならねえ」岡っ引き市兵衛の言葉に、勘助は全身に衝撃が走った。市兵衛は知っていたのだ十蔵のことまでも。十六年前、勘助は十蔵とともに商家に押し入った。火を出し、大旦那夫婦と若旦那が焼け死に、母娘が残された。罪の意識に苛まれながら勘助は、鉋台(かんなだい)職人として、ひっそり生きてきた。商家を追われ、川に身を投げようとした、その母娘とともに。二十六夜待(にじゅうろくやまち)の日、十蔵と再会した勘助に、市兵衛は娘の嫁ぎ先が狙われていることを示唆する。勘助は十蔵との友情と娘の幸せとの狭間で懊悩(おうのう)し……。〈「二十六夜待」より〉犯人を追う執念か、自らの欲望のためか、七人の岡っ引きの活躍と暗躍が投げかける波紋。男女の機微、友情、愛情を、十手に託して、妙手が描く時代小説の真骨頂!

善か悪か! 江戸を闊歩する岡っ引き七人!
元鳥越町の伝五郎
薬研堀の市兵衛
神田の卯蔵
湯島切通町の弥吉
岩本町の伊太郎
まむしの忠治
駒形の嘉平

【著者紹介】
1947年東京生まれ。コンピュータ会社SE勤務の傍ら執筆した「原島弁護士の処置」で、第22回オール讀物推理小説新人賞を1983年に受賞。その後、「土俵を走る殺意」で第11回吉川英治文学新人賞、「絆」で第41回推理作家協会賞を受賞。緻密な構成、濃密な心理描写で、以降法廷ミステリー、時代物などを中心に幅広く活躍中。著書に『冤罪』『境界殺人』『灰の男』など多数。


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おぅねぇすてぃ Honesty
明治浪漫
宇江佐真理
ISBN4-396-63200-2
著者、初の明治ロマン
真実、あなたに惚れています
函館、横浜、東京──。
文明開化の明治初期を駆け抜けた若い男女の激しくも一途な恋
文明開化に沸く明治五年(1872)。突然の再会が若い男女の運命を揺るがした──英語通詞を目標に函館の商社で働く雨竜千吉。横浜で米国人の妻となっていたお順。幼なじみで、互いに淡い恋心を通わせていた二人が、しまいこんでいた気持ちを開くのに、時間はいらなかった。千吉が上京のたび逢瀬を重ねる二人。しかし、密会はあえなく露見した。やがて、お順は激昂する夫に対して離婚を懇願する。夫の答えは、離婚後、一年間は決して男性と交際しないよう監視を付けることだった。それとは知らぬ千吉は、お順の離婚の噂を聞くや……。新しい時代の潮流の中で、さまざまな葛藤に苛まれながらも真実の恋を貫こうとする、激しくも一途な男女を描く、著者初めての明治ロマン!
【著者紹介】
1949年(昭和24)北海道函館市生まれ。函館大谷女子短期大学卒業。'95年「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞。一躍、斯界の注目を集める。2000年『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞を、'01年『余寒の雪』で中山義秀文学賞をそれぞれ受賞した。本書は故郷函館を舞台に描く、初の明治ロマンである。主な著書に『泣きの銀次』『銀の雨』『室の梅』『雷桜』他、多数。


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