行けど進めど 岩また岩の
山の深さよ 夜の寒さ
酒を禁じて黙々と
女を断って悶々と
不肖はジャボルへ 前線へ
行くも地獄で 戻るも地獄
行かなきゃ しゃあないボロ車
ホテルホテルを信じて聞けば
アホを言うなとまた進む
谷の深さのオトロシさ
アホをシバいて 遥かな空を
仰ぐ瞳に砂が飛ぶ
遠く祖国を離れ来て
しみじみ知った風呂の味
みんな来て見よ アフガンへ
不肖
モーレツに彼と前線へ行きたくなった 勝谷誠彦
その思想信条に些(いささ)かのブレもないとはいえ、やはり宮嶋も人間、ここ十数年でいくらかの変貌を遂げている。それは「情深くなった」ことである。不覚にも帰国直後に落ちたカブールへ、宮嶋は自腹で舞い戻る。
そこで彼は女子高を訪ねるのである。そして「渋谷のセンター街をほっつき歩く女子高生一人のケータイの通話料で、マリアン高校の学生に一本ずつ鉛筆を買うことができます……」。宮嶋も人の親になる歳になったということなのであろう。
本書を読み通して、私はモーレツに彼と再び前線へ行きたくなった。私と宮嶋が出掛けるとなれば、あの国──。金正日をチャウシェスク運命が見舞う時、老骨に鞭打ってでも、私はその現場に行くぞ。
友よ、宮嶋よ、その時はまた一緒に一番乗りを目指そうじゃないか!
(下巻解説より抜粋)
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