第100回 祝100回! 祝新刊!(記事、長めです…)

なんと! 
この「杉浦さやか新刊プロジェクト」、今回で100回となりました。
おめでとうございます!(自分で言うパタン)
思い起こせば、『ひっこしました』ができるまでをできるだけリアルタイムでご報告する、
というコンセプトで2008年にスタート。だから「新刊プロジェクト」というタイトルなんですが、当時の杉浦さんはネットでの情報発信をほとんどなさっていなかった(いまはツイッターやインスタで自ら情報発信されてます)ので、それならば杉浦さんの新刊情報を発信しましょう、どうせなら出版社の壁を越えてやりましょう、ということで、今に至ります。

そんなわけで他社さんの宣伝も普通にやっているこのサイトですが、
100回という節目で自社の新刊が宣伝できて、とても嬉しいです。
そうです。
『ニュー東京ホリデイ』
2020年10月1日発売です。

杉浦さんにインタビューしてみました。

 

Q1 新刊『ニュー東京ホリデイ』。タイトルの「ニュー」の意味は?

2003年に文庫で出した『東京ホリデイ』という東京散歩の本がありまして、
本書はその第2弾として立ち上がった企画でした。
いろいろタイトルを考えたのですが、『東京ホリデイ』を上回るものが出てきませんでした。
そこに単純に「ニュー」をつけたわけですが…。
この17年で六本木ヒルズや表参道ヒルズ、スカイツリーと、次々と新たな東京のシンボルが生まれました。
そんな中で私の愛する東京の風景は、前作と同じく「懐かしい匂いのする場所」。
基本は変わっていないのですが、17年で大きく変貌した街を、
私も歳をとったなりの新しい切り取り方で紹介できたように思います。
少し大人のお店を覗いてみたり、名建築に興味が出たり、さらに美味しいものに貪欲になったり。
ニューと言いつつ最新スポットがたくさん載っているわけではないのですが、
意外と知らなかったスポットやイベントなど、新しい東京の一面を発見していただけたらうれしいです。


私にとって一番馴染みの繁華街・新宿も、前回は歩かなかった街。

 

Q2 コロナ禍もあり、いろいろと大変だったのでは?

年内でほぼ取材は終わっていたのですが、コロナ禍に入るころ担当編集さんが部署を変わってしまい、3月は制作がほぼストップしていました。 
私も娘の休校などであまり仕事に打ち込めず、4月から必死に追い込んだ感じです。
お店への掲載の最終確認の段階で、休業中でまったく連絡の取れないお店があって、
急遽別のお店への新規取材を行ったりもしました。
本に載せた大好きな場所がなくなってしまったらどうしよう…と不安な日々でしたが、
閉店されてしまったお店は今のところない模様です。
打ち合わせもあまりできず、カバー案の相談は新しい担当さんとデザイナーさんと、3人でリモート会議を行いました。
私にとって仕事のリモートでの打ち合わせは結局その1回だけだったので、
仕事仲間のプライベートを垣間見るのがとても新鮮で、印象に残っています。


4月のある日。私のデスクで宿題をさせながら、仕事。
宿題の時に一番娘がイライラして、なかなかにもめました…

 

Q3 たくさんのお店が出てきますが、特に印象に残っているお店は?

こちらは八重洲ブックセンターの動画配信でも語っているので、そちらもあわせてどうそ! (編集部注・動画配信について、詳しくはこちらを!)

〇浅草「フーコ」
ずっと行ってみたかった服と小物のお店で、連載中の取材で大好きになって、
それからフーコに行くためにちょこちょこ浅草に行くようになりました。
お洋服も小物も、フーコで買ったものは絶賛愛用中です。

〇ホテル雅叙園東京
百段階段のイベントで訪れてしびれて以来、いつか紹介したい場所だったのでうれしかったです。
豪華絢爛すぎてクラクラ。常軌を逸したスケールの大きさが最高です。
この秋、母を連れてホテルに泊まりに行きたいなぁなんて目論んでいます。


雅叙園エントランス。昭和初期の木彫絵画がずらり。

〇ホテルニューオータニ
本の作業も大詰めの頃に友達と散歩に訪れて、日本庭園やカフェ、レトロモダンな館内と
すごく楽しくて、この日の散歩の情景を取り入れた前書きがすっと出来あがりました。
前書きはいつも最後の最後に書くもので、大いに悩むのですが、
めずらしく楽しくスラスラ書けました。


ホテルニューオータニの日本庭園。白鷺が飛び、滝もある!

〇「東京文化会館」「日本橋三越本店」「日本橋高島屋」
仕事モードになりすぎず普段の散歩の楽しさを伝えるために、普段は基本アポなしで取材をしていますが、上の3つは建物のお話を伺ったり写真を撮るために、取材申請をした場所です。
歴史や成り立ちのお話を伺うのはしみじみ楽しかったなぁ、と非常に印象に残っています。
いくつも偶然の出会いや発見があり、緊張もしない気ままな取材方法をとってきましたが、
取材ものと併せてこれからのお散歩取材のスタイルを模索していきたいです。

 

Q4 「東京」以外で「ホリデイ」を描くとしたらどこでしょうか?

今のコロナの状況や、子供がまだ小さいという現実問題では、東京以外は考えられませんが…
それを差し引いても、ホリデイを描けるのはやっぱり東京限定かなぁ。
自分が住んでいてある程度土地勘があり、深い愛着があるからこそ描ける内容だと思うので。
関西や九州や東北、好きな街はたくさんあっても、どこも「旅行記」になってしまいます。
(それはそれで、もちろん描いてみたい!)

本を描き終わってからも、あそこも書きたかった、この街も入れたかったと、
まだまだ歩きたい東京が山もりです。
今度は17年もあけずに、第3弾をつくりたいものです。


つい先日も、浅草一泊旅行をしてきました。お決まりの水上バスにも乗船。

 

Q5 一つに絞るのは難しいかもしれませんが、本書の読みどころは?

紹介したい小さな街はもっとたくさんあったのですが、東京在住の人と東京以外に住んでいる人、そのどちらもが楽しめると思う街を選択しました。
久しぶりに遊ぶ友人、都外に住む友人に、あそこに行こうよ! と楽しい散歩プランを
提案するつもりで作った本です。
歴史のあるお店、新顔のお店、私なりにひとつの街のいろんな表情が楽しめる場所を
紹介しています。
「はみだしホリデイ」や「非日常を楽しむ」などのコラムには、街単位でくくれなかった
魅力的な場所が満載。
どこも熱烈オススメの、大好きな場所です。
前作とかぶらない街を選ぶつもりが、浅草と西荻窪、東京タワーは外せませんでした。
この3つが私の東京の象徴なのかも。
でも紹介しているのは違うお店ばかりなので、前の本の読者さんにも是非、
新しい散歩をお楽しみいただきたいです。


35年ぶりに、東京タワーの外階段を歩きました。

 

訪れるたびに新しい出会いのある東京の街。
この本をヒントに、みなさんのお散歩も発見が溢れたものになるように願っています!


杉浦さやかさんの新刊情報が知りたい!という方はこちら
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