先日、ぼんやりとツイッターを見ていて、「お!」と思いました。
杉浦さやかさんの新刊がもうすぐ他社さんから出るらしい。
ただ、「監修」とのこと。
監修って、どういうこと?
と思っていろいろ調べてみたんですが、
なんだかすごい本みたいだぞ、ということはわかるのですが詳細が不明。
というわけで、杉浦さんご本人にお聞きしました。
杉浦さんから送っていただいたお写真とともに、どうぞ!
(写真のコメントも杉浦さんご本人です)
『すてきなおみせの包装紙レターブック』
淡交社 1870円(10%税込)
2022年5月30日発売
(タイトルをクリックすると、ネット書店アマゾンのページに飛びます)
カバーは大好きな「銀座千疋屋」のバラの包装紙
Q1 この本は「監修」となっていますね。どういうお仕事でしたか?
いつもと全然勝手の違う、とても新鮮な体験でした。
国内のお店の包装紙を集め、それを便箋に仕立て、一枚ずつ切り離して使えるレターブックなのですが、まず編集者さんが企画を立てて、私に声をかけてくれました。
私が載せたいお店のリストを渡し、編集さんが一軒一軒お願いの連絡をするところから始まりました。
私の仕事は包装紙を選ぶこと、巻頭のレターペーパーを使った手作りの提案ページ、まえがきなどの挿絵、レターペーパーの挿絵4種類といったところ。
自分の著書ではないですが、巻末には私のオリジナルラッピングペーパーや、毎年夏、クリスマスと絵を手がけている「レピドール」のイラストが3種入ったりと、かなりの度合いで参加させてもらいました。
一枚ずつ切り離して使えます。裏面の絵柄は4パターン。
Q2 監修者として苦労されたことは?
包装紙のチョイスです。権利や条件の面でクリアできなかったりして、泣く泣く見送ったものも多々ありました。
私が住んでいる東京のお店が多くなりましたが、どの地方も入るようにと心がけました。
私より、担当編集のYさんがそれはもう大変だったと思います。昔ながらの個人商店さんだとメールが送れないことも多く、地道に電話したり、ときには出向いたり。
「そんな夢のような本が、本当にできるのかなぁ」と、最初の打ち合わせの時にぼんやり思っていたのですが、彼女のガッツで形にすることができました。
そしてもちろん、快く包装紙の使用を許可してくださった各お店のご厚意があってこそ、実現した本です。
感謝してもしきれません。
Q3 杉浦さんご自身もいろいろな包装紙を集めていると思うのですが、どんな包装紙を取っておきますか?
好き!と思えばなんでも。今回は国内のお店や企業に限定しましたが、例えば娘とよく行く「サーティーワン」の、いろんなフレーバーのイラストでロゴが書かれた袋が好きで、そういう日常でよく見るものもファイルにストックします。
お蕎麦や果物が包まれていた紙なども、かわいいと捨てられません。
左がサーティーワン。食パン、駄菓子の袋、カップラーメンのふたと、好きなものならなんでも。
Q4 整理や保存も大変だと思いますが、どんな工夫をされてますか?
「無印良品」のポリプロピレンのファイルを「洋菓子」「和菓子」「おみやげ(その他)」用に3つ用意して、あとはひたすら入れていくだけです。すでに持っているお店の包装紙は、手作り用の紙入れ(クリアファイル)に入れておいて、封筒を作ったり、コレージュに使ったりします。
洋菓子ファイル。どちらも今はなきお店なので、今回の本には入っていませんが。
和菓子ファイル。掛け紙も取っておきたいもの。
おみやげ(その他)はなんでもあり。
Q5 その包装紙をどのように再利用されてますか?
かぶった包装紙のみ、封筒や小袋を作るくらいでした。あとは出版社からくる封筒を再利用する際に、会社名の上に包装紙を切って貼り、隠しつつポイントにしています。
一枚しかない紙は、時々ファイルを開いてうっとり眺めるのみです。
持っているだけで満足でしたが、今回の本で気軽に使えるようになってうれしい限り。
ブックカバーや、プリンターでコピーして便箋とお揃いの封筒を作ったり、ラッピングに使ったり、巻頭でちょっとした手作りの提案をしているので、ぜひご覧ください。
学生時代に戻って、絵柄にあわせて凝った折りかたをしてみるのも楽しい。
Q6 最後に、監修者視点での「読みどころ」を教えてください。
「読む」というより使って楽しんでいただく本です。紙が大好きで捨てられない人、手作りが好きな人に手に取っていただきたいです。
紙の見本集として名店の美しい包装紙を愛でるもよし、久しぶりに手紙を書くもよし、ペーパーを使って手作りしてもよし。
製作中にうちに遊びに来た今年80歳の母にも大好評で、お友達に配りたい、とたくさん注文してくれました。
名店の包装紙からは、懐かしさやそれぞれの個人的な思い出が喚起されて、いろんな年齢層の方に楽しんでもらえると思います。
ご自分なりに自由に楽しんでいただけたらうれしいです。
……いかがでしょうか?
「すごい本」と感じた私の直感、正しかったようです。
杉浦さんのお言葉を借りると、「夢のような本」。
楽しみだなあ。