すでにトップページではご紹介していますが、
この夏、杉浦さやかさんの展覧会が、姫路市立美術館で開催されます。
2017年 7 月 15 日(土)~9 月 10 日(日)
午前 10 時~午後 5 時(入場は午後 4 時 30 分まで)
休館日 月曜日、7 月 18 日(火) ただし 7 月 17 日(月)は開館
というわけで、杉浦さんご本人に、詳しいお話をお聞きしました。
Q1 これだけの規模の展覧会は初めて、ですよね?
A1 はい!
会場もここまで大きいのはもちろん初めて。
本当にいわゆる「美術館」なので、下見に行った時は震えあがりました。
そのとき開催されていたのは、「バロックの巨匠たち」展でしたから…。
美術館外観。もともと明治末期に建てられた陸軍の倉庫で、煉瓦造りのかっこいい美術館です。
Q2 姫路と杉浦さんの関係は?
A2 父の仕事の関係で、4歳から小学校4年生までの6年間を過ごした場所です。
その後引っ越した東京が一番長いのですが、
野山の中をかけまわる子ども時代を過ごした、「心のふるさと」です。
Q3 ご準備、大変だったと思います。
A3 原画のチョイスが一番大変でした。
著書だけは本ごとにファイルを作って原画をまとめて保管していたのですが、
その他の仕事はざっくり分けて引き出しに放り込んでいただけ。
展示のカテゴリーを決めて、そこに展示する原画をピックアップすることから始まり、
その原画を写真に撮って記録、整理していきました。
展示場所が遠いので、打ち合わせもそうそうできない中での作業。
学芸員さんが出張のついでに寄ってくれたり、
私も下見と取材に3度姫路へ行きました。
初めての美術館の下見は娘と夫も同行して、自分が娘と同じ年頃に遊んだ、
姫路城の下のレトロな遊園地を訪れたりして、感慨深い旅でした。
展示のひと月ちょっと前に原画を美術館に発送したのですが、
美術輸送トラックが来てドキドキしました。
手袋をはめたスタッフの方と学芸員さんと、1点1点作品を確認して写真を撮りながら
梱包していきました。
小さなカットまで入れると500点を超え、普段部屋に飾っている私物などもかなりの数を発送。軽い引っ越しのようでした。
準備は大変でしたが文化祭気分で楽しかったし、
なにより思い出の姫路が本当にのんびりしたいい街で、大好きになりました。
杉浦さんご自身が記録、整理用に撮った写真はこんな感じ。
作品が美術館に運ばれた日の様子。学芸員さんが作品の状態を撮影してから、梱包していきます。
Q4 姫路以外からもたくさんの方が見に来られると思いますが、そんな人たちに
向けて、姫路のおすすめスポットを教えてください。
A4 美術館は姫路城のすぐ近く。
駅からお城まではアーケードが続いて楽しいのですが、徒歩約20分かかります。
駅で無料のレンタサイクルや、あちこちに100円のコミュニティサイクル「姫ちゃり」があるので、サイクリングがオススメです(バスなどもあります)。
姫路城脇の「千姫の小径」~シロトピア記念公園に抜けるコースは最高に気持ちいい。
お城は遠くから眺めるのも、大天守を登るのもやはり素晴らしいです。
休日は混み合うので、朝イチの登城をオススメします。
すぐそばの「姫路市立動物園」内の遊園地は、歴史遺産級。
私が遊んだ40年前とほぼ変わっていません。大人も楽しめますよ。
とんかつ好きとしてイチオシなのが、「赤心」。
ここのジューシーなバラ肉のとんかつにはしびれました。
歴史ある味なお店と若いお店が混在して、駅から城周辺のそぞろ歩きはとても楽しいです。
美術館のショップでイラストマップを販売するので、ぜひ活用してください!
レトロな市立動物園内の遊園地。
Q5 杉浦さんも会場にいらっしゃるんですか・
A5 初日の7/15、8/5~6、8/26とトークイベント、ワークショップを行います。イベントの詳細はトップページを見てくださいね。
こんなにたくさんのワークショップをこなすのは初めてのこと。
楽しんでいただけるよう、これから企画をつめてゆきます。
Q6 最後に、杉浦さんご自身による「見どころ」を教えてください。
A6 来年デビュー25年周年を迎えるのですが、24年間の集大成のような展覧会です。
学生時代の卒業制作からデビュー作、全著書のカバーに原画、本に入っていない原画、
今回の展示のための描きおろし。
1回じゃ見切れないかも…笑?
今回のためにバッグやクリアファイルなどグッズもいくつか
製作したので、そちらもお楽しみに。
私の展示コーナーのタイトルは、「みちくさびより」。
すっと、日々の中の無駄なようで楽しいみちくさについて、あーだこーだと綴ってきたなぁ、
これからも綴っていきたいなぁ、という気持ちでつけました。
祥伝社で出した『道草びより』という本のタイトルが気に入っていて、それを使わせてもらいました。
展示室には中でゆっくり本を読んだり手紙をかける小屋を建てたり、
子どもたちが私のイラストを使って工作ができる工房、落書きコーナーなどもあります。
大人も子どももゆっくり遊んでいける工夫がたくさん。
たっぷり”みちくさ”していってほしいです。